青学夢
□また
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ドンッ!
最近、同じ人にぶつかる。
そして今も、その人にぶつかってしまった。
「いてて…あ、ごめんなさいっ」
「はぁ…またアンタ?いい加減にしてほしーんだけど」
「あっ…越前君。本当にごめんなさい!」
いつもぶつかる人は越前君。
実は私の好きな人。
何故こうもぶつかるのかというと、私は自分に自信がなくて下を向いて歩いてしまうからである。
「さっきもぶつかったよね?」
「ご、ごめんなさいっ…わざとではなくて…その不注意というか…」
越前君の冷たい声に恐れ、なかなか顔を見れずに、自分の足元を見つめたまま話す。
嫌われている、もしくはうざがられているかもしれない…というか確定だよね。
「……わざととは思ってないけど、あまりいい気はしないよね」
「そ、そうだよね…」
「…じゃあさ、お詫びにジュース奢ってよ」
いきなりの提案によくわからず、パッと顔を上げ見つめた。
「え?ジュース…」
「そ、まだ昼休みが終わるまで時間あるし、丁度喉渇いてるんだよね」
なんで急にジュース?パシリ?これ以上私と絡んでもいいことないのに?とネガティブなことをぐるぐる考えてしまう。
黙ってる私にどうなの、と聞くよう越前君の目線が向けられる。
ハッとして急に恥ずかしくなり目線を下げる。
「え、ええっと…うん、買ってくるから…ま、待っててね!!」
とにかく言うこと聞いておこう!迷惑かけたんだし!
そう思いながら急いで自販機のある場所へと向かった。