頂いたもの
□「永遠」の価値
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海辺のいかにも高級なレストランに私は連れてこられた。
周りには、綺麗な格好をした人がたくさん居て、私の少し奮発して買ったレース使いのワンピースでさえも恥ずかしく思えてくる。
「侑士…私、あまりお金…」
「ああ、かまへん。気にせんといて。俺が全部出すから」
もう少しで、23になる私たちは、中学の頃から付き合っていてもう8年になる。
「侑士、今日はどうしてここに…?」
「…あんな、言いたいことあんねん…」
…何?
言いたいこと…?
コトッ…
目の前に置かれたひとつの小さな箱。
これって…
「……侑士っ…」
開けて中を確認すると、小さなダイヤがついた指輪だった。
「…っ」
「受け取ってくれへん?結婚しようや…」
「…っっゆ、し…」
このために今日は呼んでくれたの?
私のためにこんな高級レストランという場所まで用意して…
下を向いて泣くしかできない。
「もう俺ら23になるやん?それに8年も付き合ってるんやし、そろそろ結婚してもええと思うんや」
「っうん…っ」
人生で今が一番嬉しいことかもしれない。
それはきっと侑士だからだね。
「華子、俺の奥さんになってくれるか?」
「…っっはい」
侑士は、私の薬指に指輪をはめて優しく微笑んだ。
8年間の軌跡。
「愛しとる…華子」
貴方と誓う「永遠」は他のものとは比べられない価値がある。
fin.