逆ハー夢

□温め隊
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謙也と財前が部活を終えて、部室に入ってきた。

「あれ?マネは?」

「部室にいるかと思ったんすけど…?」

辺りを見渡す謙也と財前。

「今日こそは一緒に帰ろう思たんスけどね…」

「アホか、俺と帰るんや」

「約束したんスか?」

「…し、してへんけどっ………ん?あ!」

「急にどないしたんスか?……あ」



「ZZZZZZ」



ソファで静かに眠っていた、四天宝寺の男テニマネージャーのはなこ。


「寝てはったんスか、ずるいッスわ…」

「せ、制服のままとか…無防備すぎるわ!!」

「…縮こまってるッスね…寒いんスかね?」

「そうやろな…いくら、夏に近くなったからとはいえ、少し寒いからなぁ……って、待て待て待て待て!!!」

「何スか?謙也さん」

「自分、何しとんねん」

「いや、人肌で温めてあげようと…」

そういって、財前は上を脱ぐ。

「温めてあげようって…お前、そら、あかんやろ!!」


「んん…」


「「…………」」

「謙也さん…」

「何や…」

「マネが"うるさい、消えろ"って謙也さんに言うてはりますけど」

「ンなわけあるかい!!ていうか、なんで俺やねん!!アンタやろ!!」

「…ということで、謙也さん、さよなら」

財前ははなこの上へ覆いかぶさるようにソファの上へのぼる。

「ほな、さいなら…って誰がさいならじゃボケェェェェ!!」

謙也、ノリツッコミ。

「ていうか、お前何しとんねん!!はよ、降りれや!!」

財前を引っ張るが、財前はびくともしない。

「謙也さん、静かにしてくれませんか?マネが起きますわ」

「うっさいわ!!変態が!!」

「……わかった」

「な、何がや」

「謙也さんも一緒にどうすか?」

「…………………なっ!!い、一緒にって///お、おまっ…ソレ…ええなぁ!!」

「ええんかい」

謙也もなんやかんや言いながら、結局は脱ぐことに。















「ン…ん〜…」

「謙也さん…。もうちょっとそっち行ってください」

「アホか!!落ちてまうやろ!!」

「ええじゃないすか、落ちても。いくらこのソファが広いからって、さすがに3人は無理ッスよ」

「せやったら、お前が降りたらええやろ!!何で俺やねん!!」

「なんとなく」

「なんとなくかい!!」

「それより謙也さん、静かにしてもらえます?起きてしまいますわ」

「はっ!!せやった!…お、起きてへんよな?」


「zzzzz」


「良かったスわ」

「危ないとこやったわ」



(…どうしよう……起きるタイミングがなくなったわ…ま、まさか、目が覚めたら財前君が上にいるんだもの…びっくりしたわ)


「財前!!あんま押すなや!!」

「押してませんけど?謙也さんが勝手に落ちそうになってるんとちゃいます?…バランス感覚ないんスね」


(いつのまにか、謙也君までいるし…。わ、私、どうなるの!?)


「ていうか、謙也さん…」

「何や…俺は今、落ちないようにこらえてんねん!!」

「なんかこれ、温めてあげようっていうよりも、襲ってる感じしません?」

「そんなワケな……な、あ、アホ!!へ、変なこと言うなや///意識してまうやんかっ///」

「謙也さんってウブッスね」

「悪かったな、童貞で」

「いや、そこまで言うてませんよ」


(…え?今、襲うって言葉聞こえたよね!?え…ええ?何何何!?私、襲われるの!?い、イヤよ!!3Pなんて、絶対イヤよォォォ!!!)




















すると、部室のドアが開いた。


「んんーっエクスタシ―――」

「あ…、謙也さん」

「何や、財前……あ」


白石だった。


「お前ら…何しとんねん…」


(この声は…し、白石部長!?)

「俺がせっかく、はなこと一緒に帰ろう思て、ルンルン気分で誘おうとしとるっちゅーのに…お前らははなこの上で何しとんねん!!」


「あ、そりゃ、すいません。温めてあげよう思て」

「そ、そやで!!決して襲おうとしてるわけでないからな!!」

謙也が必死に誤解と解こうとしている。

が。


「いいや…どうみても、襲おうとしてるところや!!」

「部長…、俺は純粋に温めてあげよう思たんスわ…せやけど、謙也さんは…隙あらば…襲おうとして」

「財前っ!おま、ふざけるなや!!」

「もうええわ…お前らには後でたっぷりと練習メニューを強化したるわ…」

「え…まじッスか……」

「わかったら、さっさとそこどき!!」

のそりと降りる変態たち。

白石がはなこに近づく。

「…おい、はなこ?」

「…う、う〜〜〜〜っ、し、白石部長ぉぉぉー!!!」

「うお!?」

はなこは勢い良く白石に抱きつく。

「なッ…花子、お、起きてたん?」

「謙也さん、気づかなかったんスか?」

「気づかなかったって…」

「俺、一回、目が合ったッスけど」

「じゃあ、なんでやめなかったん!?」

「いや、やめようとしたら、そこに運悪く部長が来たんスわ」



「う〜〜・・・白石部長ぉぉ〜・・・襲われるかと思いましたーっ!!」

「そか・・怖い思い…したな」

優しくはなこの頭を撫でる。

「…」

「…」

2人はそれをただただ、眺めるしかなかった。


「う…ううっ〜〜」

そんな2人の顔を見るなり、再び泣き出すはなこ。

「はなこ…ど、どないしてん!!」

「ふ、2人の顔を見ると…フラッシュバックゥゥ〜!!!」

「はなこっっ!!大丈夫や!!俺がそばにいたるからな!!」

「し、白石部長ぉ〜!!」

「せやから安心してもええで」

「白石部長…!!」

「蔵ノ介でええで」

「く、蔵ぁ〜!!」

蔵ノ介を超えて蔵と呼ぶはなこ。

「せや、今日一緒に帰ろか」

「はいっ」

どさくさにまぎれて帰る約束をした白石部長。



「部長に一本とられましたね」

「花子っ…」

そのばに膝をつく謙也。

「謙也さん…俺も悔しいッスわ」

「俺はもっと悔しいわ…3年間やで、3年間、想いを寄せたんやで」

とても一途な謙也。

「謙也さん…」

謙也の肩に手を添える財前。

「何や」

「ドンマイ」

「……お前が言うと腹立つわ」



end.


(゚∀゚)ノ

萌魅様リク。
毎度、さんくす★

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