逆ハー夢

□お化け屋敷で君と
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ここは某遊園地。
そして、遊園地に来ているのは四天宝寺中男子テニス部のレギュラー部員と、マネジャーのはなこだった。


「いくら平日でも結構人いるんだね〜」

「なぁなぁ、小春ぅ〜俺と一緒に回ろうやー」

「いいわよ、どれから乗るん?」

「そうやな……メリーゴーランドにせえへん?」

「んもう!!ユウ君のそういう乙女チックなところが好きよ」


小春とユウジは腕を組んでメリーゴーランドへと向かった。



「…………」


「はなこ、なんか乗らへんの?」

「あ、金ちゃん……私はいいよ」

「えー!!そんなんつまらへんー!!ワイははなこと乗りたいんや!!」

金ちゃんがはなこの袖をぐいぐい引っ張る。

「わ、わかったわかった、行くよ」

金ちゃんに引っ張られて仕方なくはなこはついていく羽目に。


そして着いたのは、ジェットコースター。


「うわー……もう、ぐるんぐるんじゃん」

「せやろ!?せやろ!?面白そうやん!!」



はなこ達の番が来て席につく。
ベルトを締め、バーをセットしたら後は体をあるがままにするだけ。







「はなこ!!はなこ!!もう一回乗らへん?」

「ちょ……き、金ちゃん……む、無理…」

「なんでやー!!」

「な、何回乗ったと思ってるの!!もう6回目よ!?さすがの私でも無理よ…ごめんね、少し休むわ」


そう言ってはなこは近くにあったベンチに座る。


















そろそろ酔いも覚めた頃だった。

「あっ!はなこー!!」

「あ……」

謙也と財前が来た。

「どうかしたの?オサムちゃんなら休憩所だけど?」

「あ、いやいや、別に何もあらへんよ!!ただちょっと小腹が減ってな……」

「それで今、食いモン探してんすわ」

「あー……たしか、あっちにあったような……一緒に行こうか」

謙也たちとアイスを買いに出かけた。




「じゃぁ、俺はチョコで」

「チョコでって…何払ってもらおうとしてんねん!!」

「いや、まさかアイスが600円するとは思いませんッスよ、俺そんなに持ってないッスよ」

「600円やて!?」

まさか知らなかったのか、謙也。

「俺も持ってへんわっ!!」

「え!?なにそれ!!もう頼んじゃったよ!!」



「すいません、2つで1200円になります」


「ど、どないしよ……」

「仕方ないなあ…私が払ってあげるよ」


仕方なく、はなこがおごることに。


「おおきになぁ、はなこ」

「ほんと、すいませんッスわ」

「もういいよ、じゃぁ、私はさっきのところにいるから」

「えっ!?もう少し一緒にいようや」

「いや、やめとく」


謙也たちといるとお金がなくなってしまうと思い、断った。





















はなこがベンチに座っていると、今度は白石が来た。


「お、はなこー!!いたいた!!」

「どしたー?」

「ちょぉ、付き合ってくれへん?」

「何に?」

「ええから、ええから!!」

はなこの手を取り、グイグイと目的地へ連れていく白石。
2人が着いたところはコーヒーカップ。
あの、グルグル回るやつね。


「え、ちょ、え?」

「いやぁーこれ乗りたくてな、せやけど、男一人が乗るのもアレやし」

「なるほど……それで女の私を誘ったってわけね」

「いや……それだけやなくて、す、す、好きだからなんやけど…///」


「え……」

「本気なんやけど…」

「ちょ…え…ま、まぢ?」

「まぢや」

「私……そこまでコーヒーカップ好きな人初めて」

「え…や、違くて、その、好き言うんははなこのこ―――「あ、ほら乗るよ」


残念、白石。
君の告白は決して無駄じゃなかったと思うわ。


「これを回すんやろ?」

「そうそう、ゆっくりにして…ぎゃっ!!」

白石がはなこの言葉を聞かず、思いっきりハンドルを回す。

「おお!!回る回るやんかぁ!!」

興奮している白石。

「ちょ、ちょっと、目がっま、回るっ!!」

「んんー!!絶頂!!感じる感じるでぇ!!」

もはや、変態です。

「止めて止めて!!」




「はぁあ〜…もう、白石ったら止めてって言ってるのにどんどん加速していくし…」

コーヒーカップから降り、ベンチでうなだれていたはなこ。
どうやら、また酔ったらしい。

























「はぁ…なんか、いつもよりもみんなに振り回されたかも…ていうか…今日はホントに疲れた…もう誰からの誘いも受けないわ」



そう決心して20分後。
千歳がはなこのもとへやって来た。



「あ!!こんなところに……」

「あ、千歳……どうかしたの?探し物か何か?」

「探し物…てか、探し人」

「ふーん……で、見つかった?」

「ここにおったばい」

そう言って千歳ははなこの手を握ると、来た方向へとはなこを連れていった。





「え、あっ…ち、千歳!?どこに行く気…って、お化け屋敷?」

「入るたい」

千歳ははなこの手を握ったまま、お化け屋敷の中に入っていった。





「ち、千歳〜…何で私を誘うのよ〜……」

「男と入るより、よか……それにはなこと一緒に…」

「…ん?どうし……きゃっ!!」

横から飛び出してきたお化けに怖がり、千歳に抱きつくはなこ。

「はなこ…?」

「あ、あ…ごめんね…わ、私こういうの苦手なの」

「そぎゃんこつ知らんかったばい…連れてきてすまんばいね」

「……千歳だけだね…」

「えっ?」

「…ちゃんと謝ってくれるの」

「当たり前ばい」

「だって他の人謝らないんだもん」

千歳に愚痴るはなこ。


「あーあ…千歳みたいな彼氏とか欲しいなぁ…」


なんと、こんなところで言ってしまいましたよ。


「じゃぁ……付き合うばい」


「そうだねぇ……って、ええ!?」


「ハハハッ俺もはなこと付き合えて嬉しいばい」

「ハハハッって……そんな、軽く言われても///」

「照れるなんて、可愛いばいね」

「フフッ」



このあと、千歳以外のレギュラー部員は開いた口がふさがらなかったとか…。



end.



(゚∀゚)ノ

憂那様リク。
毎度、さんくす★

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