逆ハー夢

□間接Kiss
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それはある真夏の日だった。
男子テニス部マネージャーのはなこは、キンキンに冷えたスポーツドリンクを飲んでいた。


「…ふぅ、生き返ったぁ!!」

「あ、はなこ、ちょっといいか?」

するとそこへ、顧問のオサムが現れた。

「あ、はい!!」

はなこはオサムについて行った。
飲みかけのスポーツドリンクを残して…。





「ふっ…。行ったか」

はなこが去ったあと、はなこのドリンクに近づいてきた奴がいた。

―――白石だった。


「…これを俺が飲めば…ふっふっふっ…」

ドリンクを見つめ、不適な笑みを浮かべているところに、また新たなる男がやってきた。

「待ってください、部長。それは俺が最初に目を付けましたよ」

―――財前だった。

「ふん、こーゆーモンは取ったもん勝ちや!!」

「いや、目を付けたもん勝ちですよ」

2人が口論していると、向こうから土埃を立てて誰かが走って来るのが見えた。

「白石ぃ!!それは俺のモンやぁ!!」

―――謙也だった。


「な、謙也!?…お前、まかさこのはなこの飲みかけのドリンクを奪う気やな!!」

「ふっ、その通りや!!取ったもん勝ちやぁぁぁ!!」

謙也が走り出すと、素早く白石の手からはなこのドリンクを奪った。

「なっ!」

「あっ!謙也…待てぇ!!」

白石も財前も謙也を追いかける。
だが、謙也には追いつかない。

そこにまた新たなる男…おとk…女が現れた。

「あら?ケンちゃんと蔵リンとヒカちゃん…追いかけっこ?楽しそうじゃない!!私も混ぜて〜!!」

「あ、小春!!ま、待てぇ〜」

やかましい2人が混ざった。
だが、やはり謙也には追いつかないでいた。


「んを!?」

謙也が行く先には金太郎と千歳が立ち塞がっていた。

「なんやなんや?みんなして何してんねん!!」

「白石たちが謙也に追いつくまであと…20分ってとこやね」

―――のんきな2人だった。

「ち、千歳!!金ちゃん!!アイツが持っとるドリンクは…はなこの飲みかけなんや!!」

「部長、あんた馬鹿ですわ。敵増やしてどないするんすか」

「はっ…!!しまった!!」

部長、もう遅い。

「「な、なんやって!?」」

2人とも目の色が変わりました。

「あっはっはっはっ!!何人追ってこようと俺の方が速いっちゅー話や!!あっはっはっ…おぶっ!!」

「きゃっ!!」



後ろを見ながら走っていたせいで、誰かとぶつかってしまった。

「いてて…あ、謙也くん」

―――はなこだった。


「え、あ、すまん、大丈夫か?」

「うん」



「謙也ァァァァァァァァァァァァァァァ!!追いついたでぇ!!そのドリンク…さっさとこちらに渡してもらいましょか」

「ドリンク?」

はなこが謙也の持っているドリンクを発見した。

「あ、私の…謙也くん、わざわざありがとう!!」

「え、え?」

謙也からドリンクを貰うと、一気に飲み干した。


「あ…ああ……あ…」


「…んふぅっ!!生き返ったぁ!!………?どうしたの、みんな」


男共は飲み干されたドリンクにくぎづけ。




「待てぇ〜」

「んふふ〜捕まえてごらんなさぁ〜い。もし〜捕まえられたらぁ〜ピーしてあげるぅ〜うふふ〜」

「あはは〜」

「うふふ〜」



2人のじゃれあいだけがむなしくコートに響いたのであった。






end.


(゚∀゚)ノ

小春ちゃんとユウジくんの最後のやり取りはナニワの王子様から来てます。

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