トラブルメーカー

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ドアを開けると、「って、物置じゃん!!」


ドアを勢いよく閉めると、また地図を出した。
この地図本当に合ってるのか?
ていうか、さっきから、誰も通らないんだけど…。


おかしいな。


朝に会ったっきり、誰ひとりとすれ違わない。
もしかして、夕飯の時間!?
そんなっ!!
私のエネルギーが!!


…で、でもここってどこ?

地図を見る。
……あ、あれ?
私、どっちから来た?


辺りを見渡すと、廊下が前後左右に広がっている。



え…どうしよう。
地図見てもわかんない。
ちょっと、待って。
私、どこにいる?
てか、どこにいた?
落ち着け。



本当にわからなくなり、このまま、誰も通らないのかと思うと、急に心細くなり、視界がぼやけた。


たまこ「……っ、私…な、泣くとかっ…、激ダサっ、だぜ」


…宍戸さんの台詞を言ってみても、より心細さが増した。


その場にしゃがみ込んで、膝に顔を埋めていると肩を叩かれた。



たまこ「…っ!!」


人がいることに感激して、思いっ切り顔を上げると、そこにはずっと探していた人がいた。


跡部「お前…探したぜ?」


跡部たま、と口だけ動かすと抱き着いた。


跡部「Σ…!!な、どうしたんだ!?な、泣いて…る?」

たまこ「あ、跡部たまの家きらぁーい!!」

跡部「はぁ?」





今まで迷子になったいきさつを話すと笑われた。





跡部「その地図は、この家を改装する前のだろうな。結構前に少し変えたんだ」


たまこ「えー、そんなぁー!!」

私の苦労が…。


しょんぼりしていると、跡部たまが口を開いた。


跡部「ほら、ディナーの時間だ。行くぞ」


そう言って歩き出す跡部たまの後をついていった。

夕食ではなくディナーというところが、跡部たまらしいな、って思いながら。
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