トラブルメーカー

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扉が開いたと思ったら、向日が血相抱えてあたふたしていた。










跡部「どうしたんだ?向日…。もうすぐで消灯時間だぞ」

向日「そ、それが!!たまこが!!」

跡部「たまこがどうしたんだ?」

向日「仁王と…!!」

跡部「仁王…?」


その名前が出た瞬間、何か嫌な予感がし、向日の後についていった。






向日「入ろうとしたら、声がして…」

跡部「声…?」

向日「いいから聞いてみろって!!」

向日がそう言うから静かにドアに耳を寄せ、中の様子を伺ってみた。





たまこ「んっ……あっ」

仁王「どこが良いか言ってみんしゃい」

たまこ「ああっ…ソコっ、ソコぉ…!!」

仁王「ん?ココか?」

たまこ「ああんっ…!も、もっと…」

仁王「もっと、何じゃ?」

たまこ「ぁん…もっと…グリグリしてぇっ…!!」




跡部「あ、あいつら…何してんだよ!」

頭に浮かぶことを否定しながら、ドアを思いっ切り開けた。






バターン!!






跡部「仁王!お前、たまこに何してくれる!!」





仁王「ん、何じゃ?」

たまこ「あっ…跡部たま、どしたの?」





扉を開けたら、マッサージをしていた。





仁王が、俯せになって寝ているたまこの上に上がり、背中を肘で押していた。



跡部「ま、マッサージかよ…」


たまこ「ぇえっ!?あ、跡部たま!?」


跡部たまが血相抱えて入ってきたから、何かあったのかと思ったけど、急にへたりこんだ。



たまこ「跡部たま…もしかしてマッサージしてほしかった?」

跡部「はぁ…ちげぇよ……。お前らがいかがわしい事してないか見に来たんだよ」

たまこ「い、如何わしいって!!////」

仁王「これからするつもりだったぜy


跡部たまが近くにあったにおたんのバックを投げた。




たまこ「大丈夫?におたん」

身をよじらせにおたんの様子を見る。

仁王「な、なかなか良い腕しとるの…」

鼻の辺りを手で押さえ、顔をしかめた。


すると急に跡部たまが寄ってきて、私の手首を掴むとにおたんを押し退け引っ張った。


岳人「あっ、跡部…」






そのまま部屋を出て廊下を歩いていく。

たまこ「あ、跡部たま?」

跡部「………」


跡部たまは黙って私の手を引いていく。


たまこ「跡部たまっ、い、痛いよ」

手首の痛みを訴えるとやっと止まってくれた。


たまこ「……」

跡部「……」

跡部たまも私も黙ったままだった。



私が遊んでたから、怒ったのかな…?



ずっと背を向けていた跡部たまがやっと顔を見せてくれた。



ど、どう見ても怒ってる…。



たまこ「あ…、あ…ぅ、ご、ごめんなさいっ!!」

跡部「まったくお前は…」

はぁ、とため息をつくと呆れた顔で見てきた。



たまこ「……」

気まずくて顔を背けていると、急に抱きしめてきた。




跡部「心配かけんなよ…」

たまこ「えっ…」

跡部「…お前が仁王と何かあったんじゃないかって」

たまこ「ごめんなさい…」


跡部「次からは気をつけろよ」

たまこ「うん」


跡部たまは優しく笑うと頭を撫でてくれた。





慈郎「あとべーどこぉー?」




ジロちゃんが遠くの方からやってくるのが見えた。

その声を聞いた途端、跡部たまは急に体を離すとジロちゃんに呼び掛けた。




跡部「どうした、慈郎」

慈郎「ねーねー、今抱き合ってなかった?」


み、見えてたの!?


たまこ「ち、違うよ!!あれは、あれは…」

跡部「たまこが走ってコケるもんだから、支えてやったんだよ」

な、ナイス跡部たま!!


慈郎「たまこちゃん危なEー」

たまこ「て、てへっ」


ジロちゃんと跡部たまと話し終えて、私は部屋へ戻った。




メア「たまこー、立海はどうだった?」

たまこ「ん?ああ…ナイス!!」

ビシッと親指を立てるとメアリーも同じようにした。

メア「アタシも!!宍戸さん最高!!」

たまこ「明日で終わりだね」

メア「そうだね…またたまこと離れちゃうね」

寂しいな、ってメアリーが呟くから、泣いてしまった。

たまこ「そっ、そんなことっ…言わないで、よ!…べ、別にっ、もう、会えなくっ、なっちゃうとかじゃっ、な、な、ないんだからぁ!!」

メア「たまこ、泣いてんの?」

たまこ「うっ、うるしゃいっ!」


その夜はずっと、メアリーと泣いていた。
いや、実際泣いていたのは私だけなんだけど。
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