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□この扉の向こうへ。(お題)
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(う……)

目の前には毎朝くぐる教室の扉。
見慣れたはずのそれが今、全く別のもののように思える。

「ふー……」

とりあえず息を吐いてみた。
だがそんなことをしたところで高鳴る胸がおさまるわけでもなく。

(う……どうしよう)

目の前では今だけ重い扉がその口を閉じている。

なんてことはない。いつものように窪みに手をかけて左に引けばいいだけだ。

(ふー……よし)

意を決して顔をあげる。
窪みに手をかけ、ゆっくり一回深呼吸する。

一息に扉を開けて一歩踏み出した。
大好きな彼が待っている、この扉の向こうへ。



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