時間屋。

□時間屋。編
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第一章 第一話「屋敷」


毎年行われるほとんどの生徒が忌み嫌うイベント。
普段通りの生活が許されず、「生徒」ならば誰もが鉛筆を片手に闘わなければならないあの期間。

テスト。

唯一の救いといったら早く家に帰れることぐらいだろうか。

そのテスト最終日。
一人の男子高校生が目の下に隈を浮かべながら、陰鬱とした曇り空の下、帰路についていた。

「は――――……」

深い溜息を漏らしながら、その手は何やら一枚の紙を握っている。


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