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□茜青葉月。(恋愛)
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「わあ!」

盛大に音を立て、思いっきり膝を打ってしまった。

すると、今まで黙々と進んでいた彼がこちらを振り返った。

「あーくそ。だから着いてくんなて言っただろ!」

「だって……。」

「だってじゃねえ。あーもう、血が出てんじゃねえか」

見ると、私の膝から何やら赤いものが滲み出てきている。

どうやら、傷というものは見ると痛みが倍増するらしい。

みっともないところを見せまいと堪えていた涙も、堰を切ったように溢れ出てきてしまった。

「泣くんじゃねえよ。ほら」

見ると、私の膝にはでかでかと名前の書かれたハンカチが無造作に巻かれていた。

「あ……」

「おら、さっさと歩かねえと置いてくぞ」

そう言って彼は私の手を取り、立たせてくれた。

先程と言っていることが真逆のような気がするのは気のせいだろうか。

「行くぞ」

彼はそう素っ気無く言い放ってズカズカと歩き出した。



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