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□正しい友達のつくりかた
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「…………」

私はそれには反応せず、自分のかけに手を伸ばした。
弓道では、弓を引くときはこの“かけ”という道具を右手につけてそれで弓を引く。
今弓を引いている人達が引き終わったら次は自分の番なのだ。

「ちょっと! 沙耶!」

先程無視したのがいけなかったのか夏実が私が座る目の前にきてまたしても仁王立ちした。
凄みを効かせて睨んでいるのだろうが、残念、私はもう慣れてしまっているので全く怖くない。
特に気にせずにかけを付ける手を動かす。

「沙耶!」

そんな私の心情に気付いたのか夏実が慌てて私の前に腰を下ろして視線を合わせた。
だが私はそれすらも気にせずにかけをつけ終えると立ち上がって自分の弓と矢を取りに行く。

「ちょっと待ちなさい!」

ああ、もう──。

「夏実、五月蝿い」

私は振り向いて一言そう言うと、すたすたと歩いていった。



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