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□正しい友達のつくりかた
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***


時は遡って唐橋高校入学式。
ステージの上では眼鏡をかけたおじさん、つまり校長先生が長々とこの学校の素晴らしさや、私達を感動させようと、言うなれば“輝かしい”未来について語っている。
正直、言ってることがよく分からない。
「君たちが背負う将来の社会」だとか何とか。
そんなもの分かるはずもないし、校長先生が言うようにそんなに簡単に変えられるものじゃないと私は思うんだけど。
とうとう黙って話を聞くのも飽きてきた。
ただ人前でするのは憚れるので欠伸はしないけど。
何か他に面白いことはないかと何気なく周りを見渡す。
と、そこである人に目が止まった。
私の右斜め前に立っている女生徒。
俯いているのでここからは髪の間からしか見えないが、左頬が驚くほど白い。
…………というか、寧ろ青────。
その時だった。
その女生徒の体がぐらりと揺れる。
私は無意識に彼女に向かって手をのばしていた。



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