ノベル

□小さな恋☆
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惹かれる引力は…


きっと種族も超える。




〜アナタに恋して〜

ティム→神田




事の始まりは…


神田が、アレンのゴーレム、ティムキャンピーを助けた事から始まった。

助けたと言うより…

窓枠に挟まって身動きの取れなくなったティムを…


たまたま通りがかった神田が引っ張りだしただけだ。


『オイ…大丈夫か?』

神田は、人が見ていないと意外に優しかったりする。

ティムは、いつもアレンと一緒の神田しか知らないからその優しさに驚いた。

固まるティム。

『どうした?どこか怪我したのか?』

初めて聞く神田の優しい声。
間近で見る神田の美しい顔。
触れられて知った神田の暖かい手。


ティムの中で…

アレンに抱くそれとは違う何かが神田に対して芽生えた。
目が合うと…胸が高鳴る!!
触れられると…息が止まる!!
何より優しくされると切なくなくなる!!



それを人は愛と呼ぶ。



〜〜〜〜〜とある日
教団内の食堂で…



『オイ!!!もやし!!これお前のだろ!!』

不機嫌極まりないオーラ全開で神田がアレンに怒鳴りつけた。

神田の指さしたコレは思いっきり神田に頬ずりしている。

『あっ…ティム。』


最近ずっとティムにくっつかれている神田は…
ゴレームのその不可解な行動を、持ち主に苦情をつけた。


朝も熱烈なモーニングキス?という顔面ダイブをティムから受け。

修練中もタオルを持って待ち構えている。


食事中も入浴中もパタパタと羽音は、神田の周りを離れない。

しかも微妙な距離を保っているのだから…


神田にとって面倒な事このうえなしなのだ。
気づいたら影からティムが見ている事が非常に多かった。

いい加減神田も迷惑になってきたのだった。


が…アレンの方はさして気にもとめず大量の食物を次々と平らげていた。


『ひょんなひょぉにいあら、あんだのバカあうぅうあら。』


『…てめぇ。食うか、しゃべるかどっちかにしろ!!!』


一旦食べるのを止めたアレンは…
強引にティムを引き寄せた。
神田の耳元でティムの羽音が響く。


『神田…僕のティムに何したんですか?』

まるで娘の彼氏に因縁をつける父親のようにアレンは神田を威嚇した。

『何もしてねぇよ!!コイツが勝手にくっついてくるから、こっちも迷惑だ!!』

『ふ〜ん。』


『…何だその目!!』


神田は、手元の六幻に手を伸ばした。


アレンは、フォーク片手にふふんと鼻で笑った。


『神田って…モテるんですねぇ……ゴーレムに。』


ブチっ…。
神田がキレた。


神田が抜刀の構えに入った時。


ぶぉんっと羽音が近くなり。

神田は、手元に何か触れるのを感じた。

『…オイっ!!』

ティムが抜刀させまいと刀の柄を押し返していた。


『こらっ。邪魔するなっ!!お前も刻むぞ!!』

神田がティムに怒鳴り立てれば、ティムが嫌だと抵抗する。

何か、興ざめした神田が刀から手を離すとようやくティムも離れた。

そして、今だに食べる事を止めないアレンの目の前に飛び。


渾身の力でしっぽの円盤状の所をアレンにぶつけた。


バシン!!


『ぶっ!!!』

アレンは、口に詰めていた食べ物を撒き散らした。

(うわっ!!!もやし汚ねぇ…。)


『へ?何?』

訳も分からず…いきなり顔面を殴られたアレンは、キョトンとしていた。


ティムは、何も言わず涙ながらに食堂を去った。


『くっ…(笑)もやしは、ゴーレムにさえもモテないみたいだな。』

『なっ!!』




何かちょっと悔しい思いをしたアレンだった。

〜つづく?のか…
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