ノベル
□小さな恋☆
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〜アナタにメロメロ〜
ティム→神田
その2☆
肌寒い午後の教団…。
神田が珍しく何か、自室で書き物をしている。
ティムは、窓の外からそんな神田の姿を見ていた。
人はそれを、覗きとも言うが…
ティムのコソコソした姿にすぐ気づいた神田は、立ち上がり窓に近づいた。
窓をそっと開けてティムを中に入れた。
『お前さぁ…飽きないのかっ?』
ため息まじりに、自分への付き纏いについて、ゴーレムに伺うが…
会話など成り立つハズもなかった。
いつものように、神田の頬にピタっと寄ってくるティム。
中に入れて貰えた事に、嬉しかったようだ。
『おぃっちょっ…邪魔すんな…って、冷たっ!!』
外での覗きでティムは、冷えたらしい。
『お前…冷えてるじゃないか。』
神田は、無表情ながらもティムの冷えを安じた。
誰も見ていない所での神田は意外に優しい。
『チッ…。』
っと、舌打ちしつつティムを掴むと、自分の胸元に突っ込んだ。
神田の服の中は暖かい。
ティムはドキドキしながら神田の服の首元から少しだけ顔を出した。
『変な所触ったら…刻むからな。』
ティムは激しく頷く。
『あと、動き回っても刻む!!』
(くすぐったいから)
ティムは、硬直する。
『大人してろ。』
ティムは、小さく頷く。
神田の暖かい体温がティムに伝わり。
ティム本来の暖かさも神田の肌に伝わっていた。
滑らかで心地よい肌。
アレンからは、いつも甘いお菓子の香りがするけど…
神田からは、微かな石鹸の香りがした。
その香りでさえティムをドキドキさせた。
間近で真剣な表情の神田を見つめる。
長い睫毛に綺麗な瞳。なだらかで色っぽい唇のライン。
長く美しい黒髪は、頭を動かせば、首元を滑って鎖骨に垂れる。
艶やかな黒髪の芳しい事。
ティムはのぼせた。
『きゅうぅぅ〜。』
っと音を立て…神田の首元から中へ落ちて行った。
『あっ!!こら!?おいっ!!』
慌てて、服を捲り…ティムを取り出すと…。
何か熱っぽくて、ぐったりした様子になっていた。
要は、神田の色気にのぼせただけなのだが…
神田は、それを風邪と勘違いした。
科学班に、ティムを抱いて現れた神田。
『コイツが…風邪を引いた。』
それだけ言い残し、デレデレになったティムをコムイに渡した。
科学班一同思った。
(ゴーレムって…風邪引くの?)
神田の去った科学班内は、疑問だらけになった。
ただ手元には、幸せそうにデレデレになったティムが熱を放っていた。
科学班一同思った。
(恋患い?)
愛は、種族の壁を超えるのか!?
…続くのか?…