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□お前の未来
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「テイト=クライン」
アヤナミの低い声が耳に突き刺さる、そんな感覚。
他の面々はアヤナミの通る道をつくる。テイトも、上官に対して背を向けているのはいけないと思い、アヤナミに向き直る。
ひとつひとつの靴音さえも緊張を高めるものだ。
その靴音がふと止まる。
テイトとアヤナミの間はあと十数歩──
「テイト=クライン。
たとえお前がもともと縛られる過去がないとしても、そんなこと私には関係ない。
お前の未来を、私に造らせてほしい。」
その言葉を聞いた瞬間、テイトは衝動的にアヤナミの広い胸に飛び込んだ。
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