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□x<1という不等式
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俺だけを見てほしくて
「ぁ…ッんん、ん」
「テイト、愛してる。」
今まで何人の人にそうやって愛の言葉を囁いてきた?
「フラウ……フラウはさ、どの位の人と付き合ったことがあるんだ?」
何時の日か、そう聞いたことがる。
フラウは笑ってしんみりしたテイトの頭を撫でていった。
「さあな、覚えてねえよ。」
その言葉が深く心を刺した。
覚えられない程沢山の人と付き合ってきたということであり、沢山の人を愛してきたのだ。
きっとフラウのその人たちへの愛を合計したものに、俺への愛なんか届かないんじゃないかって思って――
「テイト、俺はお前だけを愛してる。」
「………うん…」
「俺は、」
「人をこんなに愛したことはない。」
その言葉は本当ですか、信じても良いですか…?
x<1の不等式
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