企画

□君の刺まで愛してる
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テイトはふぅ…と息を吐いた。今はもう真夜中で、只今自室にて書類処理だ。
アヤナミは明日やれば良いと言って下さったが、出来れば早く終わらせたいと思い、無理を言ったのだ。

「ふぁ……」
欠伸の涙を手で拭う。うつらうつらしてしまい、少しだけ、と思って顔を伏せた。





目が覚め、ゆっくりと顔を上げると、約15分眠ってしまったようだ。置いていた書類は全て片付いていた。
「……え?」

テイトは驚き、立ってしまった。溜まっていたはずの書類を一枚一枚見ると、見慣れない筆跡で書かれている。自分は3分の1も終わらせていないのに。

「…え、え、何で?」

テイトが斜め後ろを振り向くと、そこには愛しい恋人がサングラスをつけたままソファで寝ていた。

「ヒュウガ…」

ヒュウガの寝顔を見ながら、自分の為にやってくれたんだな、と思った。

「……ありがと…」

テイトがヒュウガの頬にキスをしたと思えば、ヒュウガに抱き寄せられた。

「う、わっ…ヒュウガっお前起きてたのかよ!」
「どういたしまして」

吐息と共に耳元で囁かれた言葉にはっとし、顔を真っ赤に染め上げた。
テイトはヒュウガを引きはがし、そっぽを向いた。
「な、何で来たんだよ…!」
「テイト君に会いたくて」
「…オレはもう寝んだよ!」
「じゃあオレもここで寝るー」
「は、…あ!?風邪ひくだろ!!」
「大丈夫大丈夫」
「帰ってベッドで寝ろよ!」

ヒュウガは急に真剣な目つきになり、立ち上がった。
「そうだね。じゃあまた明日。」
「えっ……いやいや!ちょっとまて!」

テイトはヒュウガのシャツの裾を掴んだ。ヒュウガがゆっくりと振り向くと、テイトが俯いていた。







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