long
□番外編
2ページ/3ページ
「結婚……ですか?」
テイトの客――アヤナミはそう言ってきたのだ。
結婚……
「ああ。」
「え、いや…冗談ですか?」
「私は冗談が嫌いだ。」
「結婚……」
それはつまり、家の外には出られないということ。
「私の家なら財産もある――悪い話ではないと思うが。」
「ええ…そりゃあ…まあ…」
アヤナミの家は名家だ。地位も高い。それはとても有名な話で、嫁ぐなど雲の上のような話だ。
しかし、テイトの頭からはフラウの顔が離れない。
「家を支えたい……と言っていたな…」
「はい…」
「私の家に嫁ぐのは家にとっても……」
テイトはアヤナミの話にはっとする。
そうだ…この人に嫁げば……
お父さんを…
皆を…
支えることが出来る……
「…アヤナミ様……ありがとうございます」
.