ベジータ
□Hot In
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「さむ〜い!さむい、さむい、さむい!!」
駄々をこねるように言っては、はぁ〜っと両手に息を吹きかける。
白く染まった大気は見慣れた小路へと一瞬で流され、寒さを余計に際立たせた。
「もぉ、ホントっさむいっ!こたつに入りたい!布団に入りたい!!今すぐ南の島とかに行きたい〜!!!」
「煩いぞ!冬は寒くて当然だ」
迷惑な目で眇め、当たり前すぎる言葉で括られた。
「わかってるよぉ!でも、そんなこと言ったって、さむいんだもん!!」
呆れた視線を見れば恨めしさが湧いてきて、いとも簡単に文句と化した。
「季節が廻ってくるのを待つんだな・・耐えられんなら、その間に冬眠でもするか?」
「もうっ、ベジータの意地悪!」
喉の奥で笑い、からかう瞳に一瞬だけ凍てつくような冬を忘れた。
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