ターゲットは君

□謎
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昼休みなり、苗字の肩を叩く「用意できたか?」と尋ねると「うん」と簡単な返事が返ってきた。



とりあえず頻繁に使うであろう教室を中心に案内するも、俺たちの間で会話があまり交わされない。


ま、別に気にしてねぇけどな。
ただ、大人しい奴なんだなという印象が残った。


それからすぐ、気まずいと思ったのか向こうから声をかけてきた。


『しん…く、工藤くん。今日はなんだかゴメンね?せっかくの昼休み潰しちゃったし…』


別に気にしてねぇのに、寧ろ俺が磯山に罰として言われただけだ。
苗字に謝られるようなことはない。

もしや気にしていた?
迷惑かけたとか思ってんのか?
だから口数が少なかった?

「別に気にすんなよ。こうなったのは俺が居眠りしてたからだし…それより苗字、腹減らね?俺もう減りすぎてで死にそう」


とりあえず、気にすんなと伝えてみた。そして紛らわすように腹が減ったとも…
つーかマジで俺は腹が減ったんだ。

二人で屋上へ向かうと、いつもはそれなりに人がいるのに、今日はいなかった。休み時間が残り少ないからだろう。


苗字は気持ちいいとか呟き、笑顔になる。
ふーん、そんな顔も出来るのか。


適当に座り俺はパンを取り出す。
最近パンばっかで飽きたな…

ふと苗字の弁当を見ると色とりどりでめちゃくちゃウマそうだった。



「なんか、苗字の弁当ウマそうだな」



思わず言ってしまったこの一言。しかも意識してなかったがかなりガン見してたらしい。



『………食べる?』



という苗字の一言に驚いた。別に断ってもいいのに…



「いいのか?」と問うと



『うん。ただ味の保証はしないよ。』という返事が返ってきた。


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