ターゲットは君
□家
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「なあ、名前。」
『ん?』
「俺可哀相だろ?」
いきなりどうした。
「可哀相だよな。」
『…何が言いたいの?』
「俺に弁当作ってくんね?」
はい?
『…いきなり何?無理だよ。私料理上手くないし、お弁当だってかなり適当なのに…それにお弁当なら蘭に作ってもらえばいいじゃん。』
「はあ?なんでそこで蘭が出てくんだよ。」
『だって蘭、私より料理上手だし、二人とも幼なじみなんでしょ?』
だから私が出る幕はないのです。
「ヤダ。んなの関係ねぇし。それに名前の料理、味が俺好みだしすげぇ旨いじゃん。だから名前のがいい。」
ヤダって…めちゃくちゃ嬉しいこと言ってくれるじゃないか。上げて作らせようだなんて魂胆私には通じないよ。
第一、私にそんな大役勤まらないって!
「俺は、名前の弁当が食いたいんだ。」
うっ…
そんな嬉しいこと言わないでくれ……私なんかが新一の弁当作ったりしたら蘭が傷つくし
「な、頼むっ!」
あー…ただ本を見に(無理矢理)連れて来られただけなのに、まさかこんなことになるとはね。
まあここまで大好きな新一に頼まれると私がNOとは言えないわけで…つか言える人はいないと思う。
…丁度食生活についても気になっていたし、蘭ごめんね。
『わかった…作るよ。』
「マジ!?」
『マジ。毎日パンとか飽きたでしょ。』
私だったら飽きる!
それに、一人や二人分のお弁当を作るとしても差ほど苦にはならないし、やってやりますよ。
『ただし、私が作るのは新一のお母さんが帰ってくるまで。あと、かなりの確率で卵焼きとから揚げをお弁当に入れるからそのつもりで…途中で飽きたとか文句いうのはなしだから。』
だって私、卵焼きとから揚げ大好きなんだもん。
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