ターゲットは君
□尾
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名前がいない。
少し離れた自販機で飲み物を買って来てみれば、いるはずの名前がいなかった。
ここで待ってろっつったのに…
どこに行ったんだ?
名前のことだからフラッとどこかに行くはずもねぇし、まさか名前の身になにかあったんじゃ……
今の俺には名前がいないとダメなんだ。
やっと会えたのに、急にいなくなられちゃ俺が困る。
捜そう、どこかに居るはずだ。
………無事でいてくれっ
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あー、もう限界かも…
体力的に走れないや。
「や、ハァ…やっと追い詰めたぜ」
「ハァ、ハァ、ちょこまかと逃げやがって」
「いい加減にしろよ」
この人達暇なんだなー
ここまでしつこく追い掛けて来るなんて…
しかもめちゃくちゃ息切れてますが、無理に追い掛けて来なくていいのに……
つーかその台詞はこっちが言いたいくらいだからね。
「覚悟しろよ」
はぁ、もうダメか…
私が諦めて目を閉じたとき
「覚悟すんのはお前らやろ。」
ガシッ
目の前に現れたのは色黒の男性一人。
ワォ
拳を受け止めてるよ。
ガシッてガシッて
凄いね!色黒のお兄さんカッコイイよ!!
…ん?色黒のお兄さん??
いや、まさかね。
私の頭はこんな時だっていうのに冷静らしい。
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