ターゲットは君
□本
4ページ/4ページ
*****
「…おい、サボり魔」
―――コツ
人の声と共にコツと頭に軽い衝撃が走った。
振り向けば呆れた顔をして、新一が私を見下ろしていた。
『あれ、新一なんでいるの?』
「お前何言ってんだよ。もう昼だぜ。」
…………え?
『…昼って昼休みだよね?チャイム、鳴ってなかったよ?』
「バーロー、チャイムはちゃんと鳴ってたよ。名前が気づかなかっただけだろ」
マ ジ か
あー…やっちゃったよ。
集中してて気づかなかったのか。
「今まで何してたんだよ。蘭と園子も心配してたぞ。」
うわ、どうするよ。
とりあえず連絡したほうがいいよね。
携帯、携帯っと
『………うわ』
新着メールが15件
「すげぇな」
携帯を覗きこんだ新一が一言もらす。
メール画面に切り替えると…
蘭から8件、園子から2件、和葉ちゃんから3件、平次から2件
ハハハ…これは返事返すの大変だ。
とりあえず蘭と園子には謝罪メールを送っておこう。
「で、今まで何してたんだよ。」
私がメールを送信し終わったのを見計らってか新一が声をかけてきた。
何って…
『新一から借りた本読んでた』
「ずっと?」
『ずっと。読み始めたら止まらなくて…』
だって面白過ぎるんだよ闇の男爵(ナイトバロン)!!
「はぁ…ったく、しょうがねえな。ま、気持ちはわからなくもないが……とりあえずほら、弁当。」
『ありがとう』
なんと、鞄ごと持ってきてくれたらしい。
やっぱり新一は優しいんですね。
早起きして作った一般的なお弁当を新一が美味いとベタ褒めし、恥ずかしい気持ちが続く中、長い昼休みが終わった。
教室に戻ると蘭に質問攻めれ、園子はそれを隣で呆れて話を聞いていただけ。
ちょっと聞いてないで助けてよ。
to be continue...