ターゲットは君
□夢
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けどなー、実は隠れオタクな私(ぉぃ)がこんな話もありなんじゃないの?とか思ってる部分もあるわけで……
たまたまその体験する人が私だったってだけだし、ね。
『うん。颯の話、信じましょう。』
「…マジで?」
『うん、マジで。ただ、会いたいとはいえ、無理矢理私のことを勝手に連れてきたのは良くない…と思う。』
信じられないという顔をする颯に対して、私は気にもせず頷いた。そして後半の不満を交えた言葉に対しては都合よく聞こえていないみたいだった。
でもまあ、こんな体験なんて滅多にできないしね!
ある意味颯には感謝しなくちゃ。
「なんか、俺のほうが信じられない。こんなキッパリと信じてくれるなんて…」
『私こういう話、好きなんだよね』
オタクだから。
「じゃあとりあえず、家に帰るか。話はまたそれからだ。」
『そういえば、ここは何処なの?こんな真っ白な部屋見たことない。』
「そりゃあここは実験室だからな。…そうだ出る前にコレ身につけとけ。」
『白衣に眼鏡に…ウィッグ?』
……なぜ?
「まあ気にするな。悪いようにはしないから。」
颯に言われた通り、白衣を上から羽織り、眼鏡をかけ、ウィッグをとめる。なんか私、コスプレしてるみたいじゃない?
なんかワクワクする。
『出来たよ。』
「ん、似合うじゃん。じゃあ行くか!」
あまりキョロキョロするなよと言われ、颯に手を握られて私達は白い部屋を出た。
部屋を出ると大学みたいな普通の通路に出た。私の想像だと全部白いのかと思ったんだけど、そこまで徹底しているわけでもないみたい。
外に出る間何人かの研究員と思わしき白衣を着た人達とすれ違ったけど、皆さん見事にスルー。
外に出たら辺りは真っ暗だった。時間を聞いたら今は夜中の3時らしい。
どうりで静かな訳だ。
「麻里絵、早く車に乗れよ。」
『あ、うん。』
私が助手席に座るのを確認してから、颯は運転席へと乗り込む。
私達を乗せた車は建物を後にどんどんと先へ走っていった。
to be continue...