ターゲットは君

□謎
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《Shinichi Side》



昨日からなんかおかしい。


昨日は蘭が空手の試合で学校は休み。園子も試合を見に行ってしまった。


同じ部活で同じクラスの中村も日直のため朝から忙しいらしく教室にいない。



暇だ。



特にやることはなんもないし、今読んでいる大好きな推理物の小説も家に忘れてしまった。





ふて寝してやる。





ここで寝てしまったのが悪かった。
担任の磯山に出席簿で思いきり頭を叩かれ、罰として転入生に校内を案内しなければならなくなった。




めんどくせ。




ってか苗字って誰だ?

磯山に誰のことかを尋ねると目の前に座ってる奴のことだったらしい。

そういや今まで空いていた席に女子が座っている。



休み時間になると苗字の席が賑やかになった。
転入生恒例の質問攻め。

苗字は苦笑しながらも丁寧に答えている。

疲れねぇのかよ。



そうだ俺、校内を案内しなくちゃいけねぇんだっけ。

めんどくさいが仕方ない。


「苗字」



俺が声をかけるとゆっくりと後ろを振り向く。





「昼休み、学校案内するから、どこにも行くなよ。」




めんどくさいことは早く終わらせたい。
普通の休み時間に行くとなると何度も校内を歩かないといけないから昼休み。
この休み時間に全てを終わらせる。


苗字に約束を取り付け、昼休みまで適当に時間を過ごした。ま、授業中寝てただけなんだけど。


にしても昼休みということはサッカーも出来ないのか。俺の唯一の楽しみが…



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