ターゲットは君

□変
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「名前。もう着くぞ。」


肩を揺すられ眠い目を擦ると目の前にはどこかで見た男の人。
ああ、そういえば私颯に連れて来られたんだっけ。



『んーっ』と軽く伸びをすると、外が明るくなっていることに気付いた。
颯に聞くとあの建物を出てから既に2時間もたっていたらしく、私は車に乗ってすぐ熟睡してしまったらしい。
ふと気付くと車は建物の中にある駐車場に停車していて、颯に促されるまま車から降りる。



「じゃあ、行くか。」



気づけば颯に手をとられエレベーターに乗り込むと外の柔らかい光とは違って、人工的な明るすぎる光に目を細め、ぼーっとしていた頭もはっきりと考えられるようになっていた。



「それにしても、出発してから着くまで寝てるとは思わなかったよ。」



エレベーターに乗り込むや否や私に話しかける颯。



『だって、眠かったんだもん。』



実は眠いっていうよりも先に気まずかったから無理矢理目を閉じていた寝たんだけど…眠かったのも本当だし、うん。眠かったていうことにしておこう。



「そっか…おし、着いたぞ。」



エレベーターが止まり、降りる私達。
颯はニコニコと何が嬉しいのかわからないがご機嫌みたいだ。



颯の部屋に入ると、私は思わず目を見開いてしまった。
部屋が、広すぎる。なんだコレはっ。



「ほとんど使ってないから、好きなとこを麻里絵の部屋にしちゃっていいからな〜」


凄いことを簡単に言われてしまった。




『ねぇ、颯サン?なぜこんなに部屋が広いわけ?』



「そりゃあ、このフロア全部俺んだもん広いに決まってるじゃん。」



『はぁぁぁぁ!?』



「え、なんでそこに驚くの?」



いやいやいや普通驚きますよね?
え、何?颯って実はかなりのお金持ちだったりするの?



『なんか…意外だね。』



「今の一言結構酷くね?ま、元々お金があったってのもあるけど、俺だってこう見えて頑張って働いてるんだからな。」





そういえば颯って何歳なんだろう。私より年上…なんだよね?


『ふと思ったんだけど、颯って今何歳なの?』



「俺?俺は今26。」


私より6歳も上か。ってことは呼び捨てはヤバい?



「別に年齢とか気にしなくていいからな。急に畏まられると俺が困るし。で、名前はいくつなんだ?」


"さん"付けで呼ぼうと思ったのに、先手を打たれてしまった。ま、いいか。


『夢で見てた割には年齢知らないんだね。』


「うるせ。大体でしかわからないんだよ。」



『ふーん…私は20歳だよ。今年で21。』



「……………。」



『えっ…何、その間』



「………今20歳なんだろ?それにしてはお前、幼すぎじゃね?」



『は?普通っしょ??』



私こう見えても成人女性の平均前後なんですけど。


「いや、ほんと。幼いって…そういえば、向こうから連れて来る前と今とで顔や体型に幼さが出てる気が……」



ウソ!?


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