ターゲットは君

□外
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あれから何も聞くことも出来ずに、颯に促されるまま買い物に来ています。


隣に寝てたこと、他にも聞きたいことがいろいろあるのにうやむやにされてしまいました。もう、なんなんでしょう、いったい。


困ったものです。


そんなことを考えつつも私たちは、颯の車で、私の日用品を買いにデパートに来ています。





いや、ありがたいですよ?ホント。

無一文の私に日用品を買ってくれることに感謝してますって!!



でもね、私ついていけないんです。颯の行動に…



お金があるのはあの部屋でわかった。1フロアだもんね。


けど、だからってそんなに大量の洋服を買わなくてもいいんじゃないですか?


車には大量に入ったお店の袋がかれこれ5つ。
しかもまだ買おうとしてるしね。
ぶっちゃけ私こんなに服いらないよ?



そんなに滞在する予定もないし、自由に帰れるのかもわからないけれど…まずここがどこなのかも今だにわからない。


その旨を颯に訪ねたら、


「何言ってるんだ?直ぐに帰れるわけないじゃん。俺が長い間研究して名前を呼んだんだぜ?ってか返す方法俺知らないし。因みにここは米花町だ。」




なんか凄いことを一気にサラッと言われた気がする。
なに?勝手に連れてきて、帰る方法知らないって??
なんだそりゃ。

とりあえず自由に行き来できるように研究は続けるらしいけど…このまま帰れなかったらどうしてくれんのさ。



きっとお母さん達心配するだろうな…映画に行ったきり帰ってこないって警察沙汰になってないといいけど。




「さて、と!洋服はこれくらいにして、次はどこに行こうか?」


こんなに私が悩んでるというのに、気づけば颯の手には新たにショッピングバックが3つ。あんたいつの間にそんなに買ったんだよ。


私一度にこんな量買ったの初めてだよ。


『颯さん颯さん、私疲れたからどこかで休みたい。』

「なんだ、もう疲れたのか?しょうがねぇな。」


いや、あなたの行動に疲れたんですよ。



そして私たちは近くにあった喫茶店に入り、15時のティータイムをすることにした。



可愛らしい雰囲気のお店で、私たちを迎えてくれた店員さんも可愛くて、颯の顔を見たとき顔を赤らめていた。

まあ颯は一般的にかなりの美形男子に含まれるから赤くなるのわかるよ。



「そういえば、高校行くか決めたか?」


テラスにある席に座り、颯はコーヒー、私は紅茶とケーキを注文すると颯が聞いてきた。





今日新たにわかったことと、この間からのことを合わせてまとめてみる。

・異世界?に来てしまった
・当分元の世界に帰れない
・颯は夢を通して私のことを知っていた
・颯がお金持ちで美形さんで、研究家



あれ?
今思うと私颯のことしかわかってない?
今だに謎に含まれてる部分もあるし…


全てまとめて考えると、結局この世界に慣れないとダメだってことだよね。


うん、決めた。


『私、もう一度高校生やろうと思う。』


その一言を颯に言うと、彼はニヤッと笑って一つの資料を出してきた。
まるで私がそれを言うのを知っていたかのように…


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