ターゲットは君

□入
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目の前に見えるは大きな建物。


今日から私は学生に戻ります。いや、今までも学生やってましたけどね。



私、苗字名前は高校1年生になるんです!





真新しい制服に身を包み、ピカピカの革の鞄を手に持ち、何もかもが新しくて、緑に色づいた葉っぱが風に揺れる度、胸に暖かくて爽やかな風が流れ込む。

ドキドキ、ワクワク。実年齢は20歳なのに、なんだろう?この胸の高鳴りは…とても心地好い。





深く深呼吸をして、気合いを入れる。
いくら成人しているからといって人前が得意な訳でもなく、一足遅い入学なものだから、転入という形をとられているわけで…そういえば私人生初の転入だ。



それにしても今日は朝から大分疲れました。

まだ一日始まったばかりなのになぜ疲れたかのかというと、颯さんがですね、また隣に寝ていたことが全ての始まり。





目覚めは最高だったんです。
目覚まし時計という人工的な音で目が覚めるのではなく、ピチピチと可愛らしい鳥の囀りに自然と目が覚めて気分はそう、ハッピー。

今日からまた新しい生活が始まるのかと思うと胸が弾んで、本当に幸せな目覚めだったんです。



なのに「おっ名前起きたか。」て、後ろから颯の声が聞こえてきて…



「今日から名前はいないのか…寂しくなるな」


とか言いながら離さないとでもいうかのように、体の上にあった颯の手が段々と腰に巻き付いてきて……



『はーやーてー。なにこの手!…というか何故また同じ布団で寝てるのよ!それに私学校だって知ってるでしょ?高校の手続きしたのは颯じゃない!』


「だって寂しいんだもん」


いやいやいや、26歳の男が"寂しいんだもん"って言われても困るだけだから。



それから颯の腕からもがいて、二人分の朝食の準備して、また出るときに絡んでくる颯をあしらって今に至るというわけです。



だんだん颯が我が儘言うようになって、あの人あんなキャラだったの?最初はもっと落ち着いててかっこよかったのに…とか思ってみる。



そんなわけで朝の一騒動のせいで疲れてしまったわけですが、時間がたつのも早いもので、もう職員室に行かなければならない時刻になりました。



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