ターゲットは君

□昼
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ひょんなことから、今日一日あの超有名な高校生探偵工藤新一様に校内を案内してもらえることになりました。



嬉しさ半面、悲しさ半面…



あぁ、私は一体どうしたらいいのでしょう。





HRが終わってから、転入生お決まりの質問攻めの嵐。そして話に聞いたところによると、今日は蘭ちゃん(やっぱり新一と同じクラスらしい)は空手の大会に行っているらしい。
しかも高校1年でレギュラーに異例で選ばれたらしく、今日はその大会でお休みみたいです。
ちなみに園子(彼女も蘭と同じクラスらしい)は蘭の大会の勇姿をビデオに納めようと学校をずる休みして行っているんだそうな…



だから私が自己紹介してるとき私の座る席を含め3つも空いていたんだね。



休み時間が終わると、慌ただしかった私の席の回りも人がいなくなり、これから始まる授業の準備をしている。



「苗字」



この声は間違える訳無い。新一だ。クラスがまだざわついているとき、後ろから新一に名前を呼ばれる。
呼ばれた方へ体を向けるとこちらを見てくる彼の目とと私の目が合った。


う…目が反らせない……




「昼休み、学校案内するから、どこにも行くなよ。」

朝のSHRでの先生から出されたペナルティー。
私的にはそんなに気にならないのだけど、新一はちゃんとペナルティーをこなすらしい。



「あ、うん。わかった。」


なんとか返事をしてみるも、どうも緊張のせいかまともに会話すら出来ていない。

私残念すぎる…





無事に4時間の授業を終え、ただ今昼休みに突入しました。


ただ退屈な授業を受けていたものだから、授業中は昼休みのことしか考えられなくて、心臓がドックンドックンと凄い音を出していたことしか覚えてない。



そんな緊張の中、お弁当とお財布を用意。



すると背後から肩をトントンと叩かれ「用意できたか?」と新一から声をかけられる。
それに対して「うん」と首を縦に振る…だからもっと会話が成り立つように頑張ろうよ私!

すると新一は「行くぞ。」と言って私の前を歩きだした。



さりげなく私の歩くペースに合わせてくれるとか、新一は意外とジェントルマンらしい。



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