光と色とそよ風と
□Lesson.1
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ギラギラと照り付ける太陽。
暑苦しく鳴きつづける蝉。
公園では水遊びをして涼んでいる子供達。
『……うー…気持ち良さそう…』
今日はこの夏一番の猛暑らしく、少し歩いただけで汗が止まることなく流れていく。
こんなに暑い日は家の中で涼むのが一番。だが、生憎今日は夏休みに出された宿題を一つでも減らしたい一心で朝から昼まで図書館に篭っていた。
やっと、あと少しで一つ宿題が終わりそうなところまで進めることができた。
少しだけ晴れやかな気持ちで、鼻歌なんかを歌ってみたりして、今日の私、絶好調です。
『ただいまー』
そう挨拶しても返ってくる返事はないわけで…というのも私の両親はついこの間、父の仕事の関係で母を連れて海外へと行ってしまった。
誰もいない家にはやっと最近慣れてきて、料理もそれなりに作れるようになった。私だってやれば出来る子だったんだよ。…にしても
『あぁぁぁ、暑い暑い暑い』
今日はなぜこんなにも暑いのだろうか。とにもかくにも、家に着いたので、クーラーのスイッチを入れ、冷やしていた麦茶を一気に飲み干す。
『ふぅ。生き返るー』
部屋もいい感じに涼しくなり、たった今冷たい麦茶も飲んだから、とても心地好いです。
「―――ょ―…」
ん?
「―ェ――――……」
声が、聞こえる。
部屋のテレビつけっぱなしだったかな?
いや、電源はすべて切ってから家を出たはずだし…
もちろん、鍵はちゃんと閉めた。
じゃあ、なに?
声のするほうへ足を向ける。
もちろん泥棒だと困るので、父のコレクションであるゴルフバットから一本拝借。
どうやら声は私の部屋から聞こえるらしい。泥棒さん私の部屋には何もありませんよ。あるとしても漫画とゲームしかありませんよ。
「クッソ。いい加減にどけェ!マダラ!!」
「…………無理……風門寺こそ…どいて………重い…」
「ぇぇぇえ!!!ゴロちゃんそこまで重くないよ!プンプン!!!!そんなことより、瞬こそどいてよ!!ゴロちゃん潰れちゃったらどうするのさ!!!!!!」
「いやお前は重いと思うぞ。どきたいのは山々なんだが…草薙、お前がどかんと俺は動けんぞ。」
「お…前、ら………いい加減、にしろ…一番、下は……俺なんだぞ………く……おい、永田!コイツラをどうにかしろ!!」
「草薙様、翼様が潰れてしまうと真壁財閥の後継者が居なくなってしまいますので、どいていただいてもよろしいでしょうか?」
「んあ?あ、あぁ。わりぃわりぃ」
なーんだ。聞き慣れた声だと思ったらB6か…
そうかそうか。B6ね。
………………
ちょっと待て。何故私の部屋から声が聞こえるの?
ドラマCDか?ドラマCDだよね?ドラマCDに決まっているさ!!
よし、そうとなればCDプレーヤーを消さないと、電気代が勿体ない。
ガチャと音を鳴らし、思い切って扉を開いてみた。
「「「「「「「…………」」」」」」」
『失礼しました。』
なんか居た!
なんか居たよ!!
超絶美形の殿方達が!!!
しかもミルフィーユのように積み重なっていたよ!!!!
え、何?扉?ああ、そんなもの…当然閉めたよね!だって理解不能だよ。家を出てから帰って来るまで鍵をかけていたのに、誰も居なかった私の部屋に男の人が数人、私の部屋でミルフィーユ状態。…ね?ぱっと見意味わからないでしょ?ただ分かることはみんな美形で、声がB6だっていうことくらいです。
とりあえず落ち着け。落ち着くんだ私。そうだ!麦茶っ
麦茶を飲もうっ
冷たいの飲めば目が覚めるよきっと。
そうと決まれは冷蔵庫だ。
「どちらに行かれるのですか?」
『いや、ちょっと目を覚まそうと思って台所…に………?』
はっ!!!
ここにも美形さんがいらっしゃる。
「そうですか。ですがすみません。翼様が貴女を連れて来るようにと仰せつかっておりますので、こちらに来ていただいてもよろしいでしょうか?」
『遠慮しま「来ていただけますよね?」…………はい』
どうやら私には拒否権がないようです。
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