光と色とそよ風と
□Lesson.2
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「翼様、連れてまいりました。」
「フム、来たか。」
一体、私はどうすればいいのでしょうか?
気づけば私の周りには先程までミルフィーユ状態だった美形殿方達がいらっしゃいます。
『やっぱり私、出ま「永田!」…あ』
唯一の出入口を先程連れてこられた美形さんに封鎖されてしまった。もう私に逃げ道はない。
…いや、考えてみれば、ここは私の家で、尚且つ私の部屋ではないか!
『あ、貴方達はどちらさまですか!?ここ私の部屋なんですけど』
少し。ほんのすこーしだけ強めにでてみた。
「What?そんなこと俺の知ったこっちゃない。おい、女。一体ここはどこなんだ?」
うん。強めに話しても意味ないみたい。
とりあえず言いたい…ここは私の家ですが何か?と
「とりあえず、バカサイユではないよな」
あんな馬鹿でかい建物と一緒にしてもらっても困るから!
「…にしても、つーまんねぇ部屋だなァ」
つまらなくて結構。
私は満足しているんだもん。
「こら、仙道!例えつまらなくても口にだして言っていいものじゃないぞ」
グサ!!
それ、1番失礼だって気づきません?
「でもでもー、この縫いぐるみとかポペラ可愛いと思うよ」
やっぱり?それ私の1番のお気に入りなんだ。
「グー…」
人のベッド使って寝てるし…
「それより女、お前は誰だ?どうやって俺達をここまで連れて来たんだ。」
………は?
さっきからおとなしく聞いてみれば、こいつらめちゃくちゃ失礼じゃないか?人の部屋を好き勝手言っちゃってくれちゃって…そりゃ漫画とかゲームしかないけれども!
『いやいやいや…私何もしてないし、図書館から帰って来ただけだし、むしろ勝手に不法侵入したの貴方達だよね。』
「フホー…シンニュウ?」
「翼、不法侵入な。」
「永田!」
「はい、翼様。人様の家に許可なく勝手に上がり込むことです」
「フン、そんなこと知っている。」
今絶対に言葉の意味理解してなかったよね。
『そ れ よ り も!貴方達はどうして私の部屋にいるのよ!!名前も聞いてないし、本当に不法侵入なら警察呼ぶわよ?』
私は携帯を取り出し、一向に進まない話を尋ねてみる。
「ンなこと、知らねェー。」
『は?』
「実は気づいたらこの部屋に皆で重なり合って倒れてたんだよねー。ゴロちゃんポペラびっくりしたよ。もうシュンが重くて重くて」
「風門寺、それは俺のせいではない。すぐにどかなかった草薙のせいだ。」
「シュンもハジメも重かったよ、ブー」
「なっ!俺だって好きで一番上に乗ろうとしたわけじゃないんだからな。」
一体どういうことだろう。気づいたら私の部屋にいた?ではどのようにしてこの部屋に入ったのだろう?それにいつの間にか、というなら今まで彼らはどこにいたというのだ?
…というかさっきから凄く気になるワードが飛び通ってるんだけど、ポペラとか永田とか翼とかシュンとかバカサイユとかハジメとか……私の知るかぎりこの言葉が出るのはアレしかないんだが
触れてはいけない、いや、むしろ触れたくないことだけれども、多分聞かないと話の筋が通らないような気もする。
『あのー、とりあえず貴方達の名前を教えてもらっても?』
「ハァーハッハッハッ!俺か?俺の名は真壁翼だ!!」
この聞き慣れた笑い声。私の部屋に居たのは、あの愛して止まない作品の真壁翼でした。
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