光と色とそよ風と

□Lesson.6
1ページ/1ページ




「なぁ、あの子の言っていたこと本当だと思うか?」


瞬と…あー‥、また名前忘れちまった。ま、いいや。後で名前聞けばいいんだし……また忘れるだろうけど。

いきなり今日の食材が足りないと言い、これから買い物に行くと出かける準備をし始めたその子に、俺らはB6の主夫代表である瞬を付き合わせることにした。


俺は二人が買い物に行って少し時間がってから、翼達に話し掛けた。


「僕たちがゲームになっていて、何かのきっかけで名前ちゃんの部屋に来ちゃったってことだよね?」


「さあ、どうなんだろうな。だが、この俺がこちらでも有名人とは素晴らしいではないか!」


あー…うん。そうだ。翼はこういう奴だった。


「ここが今までいた場所と違う場所だろーが、なんだろーが、オレには関係ねェ。つーか、別にいンじゃね?帰れるまでここにいていいっつってるんだし。ナギこそどう思ってるんだよっ」


「俺か?」


確かにあの時から刺激が足りねぇ足りねぇって暴れてたけど、この体験はその刺激とは別の意味で刺激的っつーか…けど、まあB6プラス一匹と永田さん、がいるわけだしなんの不安もないっていうのもある、んだよな。


「本当かどうかはわからねぇけど、俺はB6揃っていればどうにかなりそうな気がする。…あ!!でもタマがいないっ!!!」

「ゴロちゃんのパウもだよー」


タマとパウは大丈夫なのか?
タマはふらふらするのが日課だから、俺がいなくても大丈夫だとして


「なぁ、悟朗。パウはどこにいるんだ?」


「パウ?…あ!パウは今日綺麗にしてもらおうと思って、美容院のお姉さんに預けてきたんだった。」


「ンじゃあ、別にィ、気にすることでもねーンじゃね?」


「そだね。きっとお姉さんが預かっててくれるだろうし。うんダイジョブだった。」


「……………」


「トゲー!」


「ん?ぁぁあああ!!トゲー!!!お前今までどこにいたんだよっ。心配しただろ?」


あぁ…トゲー、やっぱりめちゃくちゃ可愛いぜ。


「瑞希も、今起きたんだな。永田!瑞希にDrinkだ。」


「はい。翼様。」


「………ん。」


「ん?なに??うん。それで、…………はぁ?!」


「どうしたハジメ、一体瑞希は何と言っているのだ?」


「部屋で寝てたら、翼を見つけたって」


「What?どういうことだ?俺はずっとここに居たぞ!!」


「んー、とりあえず、名前ちゃんの部屋に行ってみればいいんじゃない?」


「キシシ。おっもしろくなってきたぜェ」





◇◆◇◆◇





「…あっち……」


「瑞希、俺なんてどこにもいないではないか。」


「…ちがう。トゲー」


「クッケー」


トゲーが向かった先には一台のオーディオ機器


「音楽プレイヤー?」


トゲーが音楽プレイヤーの傍に行き、再生ボタンを押すと


【ハァーハッハッハッ!!】


「「「!?」」」


なんだなんだ?
翼の声が聞こえるぞ!?


翼だけじゃない。
俺も瞬も清春も悟朗も瑞希も他のB6の声までプレイヤーから聞こえてくる。


「…トゲー。」


「クケ。」


瑞希がトゲーに声をかけると、トゲーは停止ボタンを押し、瑞希のもとに帰っていった。


「一体何だったというんだ。」


「みんなの会話が録音されてたね。」


「おっもしれェ」


翼と悟朗は驚き、清春は嬉しそうに目を輝かせている。


「……………ん。」


「なになに。プレイヤーの後ろ?瑞希、プレイヤーの後ろに何かあるのか?」


「プレイヤーの後ろっつーと…おー、あったあった。CDのケースだなァ」


清春がプレイヤーの後ろを覗き込み、一枚のCDケースを拾い上げた。
そのジャケットを見た俺達は驚いた。
なぜなら、そのジャケットには…

「なっ……」


「どうしたんだ、つ…ばさ?」


「キシシ、これすっげェなァ」


「ふぇぇぇ!これって、ゴロちゃんたち、だよね?」


B6であろうメンバーのイラストが描かれていたのだから。





.


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ