光と色とそよ風と
□Lesson.6
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「なぁ、あの子の言っていたこと本当だと思うか?」
瞬と…あー‥、また名前忘れちまった。ま、いいや。後で名前聞けばいいんだし……また忘れるだろうけど。
いきなり今日の食材が足りないと言い、これから買い物に行くと出かける準備をし始めたその子に、俺らはB6の主夫代表である瞬を付き合わせることにした。
俺は二人が買い物に行って少し時間がってから、翼達に話し掛けた。
「僕たちがゲームになっていて、何かのきっかけで名前ちゃんの部屋に来ちゃったってことだよね?」
「さあ、どうなんだろうな。だが、この俺がこちらでも有名人とは素晴らしいではないか!」
あー…うん。そうだ。翼はこういう奴だった。
「ここが今までいた場所と違う場所だろーが、なんだろーが、オレには関係ねェ。つーか、別にいンじゃね?帰れるまでここにいていいっつってるんだし。ナギこそどう思ってるんだよっ」
「俺か?」
確かにあの時から刺激が足りねぇ足りねぇって暴れてたけど、この体験はその刺激とは別の意味で刺激的っつーか…けど、まあB6プラス一匹と永田さん、がいるわけだしなんの不安もないっていうのもある、んだよな。
「本当かどうかはわからねぇけど、俺はB6揃っていればどうにかなりそうな気がする。…あ!!でもタマがいないっ!!!」
「ゴロちゃんのパウもだよー」
タマとパウは大丈夫なのか?
タマはふらふらするのが日課だから、俺がいなくても大丈夫だとして
「なぁ、悟朗。パウはどこにいるんだ?」
「パウ?…あ!パウは今日綺麗にしてもらおうと思って、美容院のお姉さんに預けてきたんだった。」
「ンじゃあ、別にィ、気にすることでもねーンじゃね?」
「そだね。きっとお姉さんが預かっててくれるだろうし。うんダイジョブだった。」
「……………」
「トゲー!」
「ん?ぁぁあああ!!トゲー!!!お前今までどこにいたんだよっ。心配しただろ?」
あぁ…トゲー、やっぱりめちゃくちゃ可愛いぜ。
「瑞希も、今起きたんだな。永田!瑞希にDrinkだ。」
「はい。翼様。」
「………ん。」
「ん?なに??うん。それで、…………はぁ?!」
「どうしたハジメ、一体瑞希は何と言っているのだ?」
「部屋で寝てたら、翼を見つけたって」
「What?どういうことだ?俺はずっとここに居たぞ!!」
「んー、とりあえず、名前ちゃんの部屋に行ってみればいいんじゃない?」
「キシシ。おっもしろくなってきたぜェ」
◇◆◇◆◇
「…あっち……」
「瑞希、俺なんてどこにもいないではないか。」
「…ちがう。トゲー」
「クッケー」
トゲーが向かった先には一台のオーディオ機器
「音楽プレイヤー?」
トゲーが音楽プレイヤーの傍に行き、再生ボタンを押すと
【ハァーハッハッハッ!!】
「「「!?」」」
なんだなんだ?
翼の声が聞こえるぞ!?
翼だけじゃない。
俺も瞬も清春も悟朗も瑞希も他のB6の声までプレイヤーから聞こえてくる。
「…トゲー。」
「クケ。」
瑞希がトゲーに声をかけると、トゲーは停止ボタンを押し、瑞希のもとに帰っていった。
「一体何だったというんだ。」
「みんなの会話が録音されてたね。」
「おっもしれェ」
翼と悟朗は驚き、清春は嬉しそうに目を輝かせている。
「……………ん。」
「なになに。プレイヤーの後ろ?瑞希、プレイヤーの後ろに何かあるのか?」
「プレイヤーの後ろっつーと…おー、あったあった。CDのケースだなァ」
清春がプレイヤーの後ろを覗き込み、一枚のCDケースを拾い上げた。
そのジャケットを見た俺達は驚いた。
なぜなら、そのジャケットには…
「なっ……」
「どうしたんだ、つ…ばさ?」
「キシシ、これすっげェなァ」
「ふぇぇぇ!これって、ゴロちゃんたち、だよね?」
B6であろうメンバーのイラストが描かれていたのだから。
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