けいおん!

 中学の入学式の少し前。
 いつものように両親と三人で食卓を囲んでいたときのことだ。
 いつも笑顔の絶えない父だった。
 まだ知識の少なかった当時は、彼の仕事がなんなのかわからなかった。

「あなたももう大きくなったし、大丈夫よね。平沢さんにも言ってあるし」

 母も父と同じ仕事をしているとは聞いていた。流石に中学生にもなっているので二人の異変に気が付く。

「来週から私たち、南アフリカにボランティアしに飛ぶことになったから」

 これが、両親と別れて暮らしている経緯である。

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