短編
□「届かなくてもいい」なんて嘘。
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惹かれあったのはそう、必然
俺とは何もかもが違う
黒い髪は、光に当たるときらきらと輝いて
飲み込まれそうなほどの深い黒をした瞳
柔らかく、美味しそうなバター色の肌
安心できる低い声
優しい笑顔、温かい雰囲気
私とは全然、違う
金色の髪は、それだけできらきらと眩しくて
宝石のような美しい緑色の瞳
雪のように綺麗な白い肌
りんと響く声
無邪気な笑顔、不器用だけど優しい雰囲気
違うから、興味をもった
もっと沢山、貴方を知りたいと思った
見つめるたび
言葉を交わすたび
近くにいられる事に
出会えた事に
俺は
私は
運命を信じたいと思った
アーサーさん
お前が、俺を呼ぶ声が凄く好きだ
菊
貴方が、私の名前を呼んでくださる時の声が好きです
こんなに純粋に誰かを好きだと思ったのは久し振りだ
まさか、この年でこんな恋愛をするなんて予想外でした
だけど、悪くない
ですが、悪くないです
I LOVE YOU
愛しています
この感情を伝えるのは
貴方にこの感情を伝えるのは
きっと、もうすぐ
「菊!」
「アーサーさん!」
聞いてほしい事があるんだ―――
聞いてほしい事があるんです―――
END