不老不死の一族-ロヤイド神話-
□【首の痣、背中の傷痕】後編
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遠方より風に乗って血の臭いがする。
モンスター達の死臭と、ただならぬ気配も。
「…姉者、この先にゃとんでもねぇ化けモンがいるみてぇだ。」
鼻をすんすん鳴らして言ったのはアクエリュエの弟、双子は兄の方のヒュクス。
「モンスター達の死臭に紛れて、肉を焼いたような匂いもします。…お腹空きそうですね。」
言うが早いか、真顔で言ってる傍からぐーと腹の音、双子は弟の方のヒュプスはつい2時間前に野鳥を食べたばかりだというのに。
「では、この先にいる化けモンとやらを、食えばよかろう…。」
アクエリュエは視線を変えず淡々と答えた。
「まぁもっとも、そいつを食って腹を壊さぬ自信があればの話だがな…。」
アクエリュエはフンと鼻で笑った。
ヒュプスは苦笑いを浮かべて、「努力します。」と呟いた。
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