【miss youベイビ―】
二、三月地球を離れ宇宙での長旅を終え地球に帰ってきて真っ先に向かった鬼兵隊本部は恋人である高杉晋助以外誰も居なかった。
丁度良い!土産を沢山持ってきたきに酒でも飲むぜよ!と二人だけの宴会を開いた。
宇宙の酒は珍しいモノばかりでアルコールが強いものが多い。
いつもの日本酒を飲むように高杉は浴びるように酒をカラにしていく。テロやら会議やらでロクに酒も飲めていないと嘆いていた高杉はいつもより酒の回りが早かった。
「たぁ〜ちゃん!飲んでるか!?」
「飲んじゅうきに、おんしゃちと呑み過ぎぜよ!」
酔いが回った高杉の顔はほんのり赤い。オマケに悪酔いしたのかテンションがおかしい、まるで別人のようによく喋るようになった。
「うるせぇ!呑みすぎもクソもある、か…!?」
「晋!」
覚束無い足取りで急に立ち上がるもんだからバランスを崩し自分の上に被さるように倒れ込み、おかげで空いていた一升瓶やらグラスやら全部ぶち撒けてしまった。
「頭痛ぇ…」
「じゃきィ呑み過ぎゆうたやろうが、おんしはペースが早すぎちや」
「うるせぇなぁ…テメーは小姑かよ…」
文句を言いながらも背に腕を回しても文句ひとつ言わず離れない高杉に違和感を覚えた。
いつもなら「離しやがれ!」と悪態を吐いて斬りかかるくせに。酒のおかげなのか甘えるようにぎゅうと服を掴みしがみついてくる。
「し…ん?」
「辰、おめでとう…」
「!?」
気になる言葉を一言呟くと真っ赤な顔がゆっくり近付いて気付けば唇が重なった。
(どうゆう意味じゃ…?)
「辰、辰…好きだ。」
高杉の口付けは子供のような、ただ啄むようなキスだがいつもとは想像出来ない。自分の思ったことを口に出して自分のやりたい事を酒の勢いがさせているのだろうか。



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