◆Novel
□Neid
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『美鶴、今日一緒に帰らないか?』
昼休みに明彦にそう言われ、美鶴は待ち合わせである校門で、彼が来るのを待っていた。
日々、部活や生徒会で一緒に帰るという事などほとんどなく、久し振りという事もあって、心なしか美鶴は嬉しかった。
だが…
「遅いな…」
時計を見ると、16時45分を針は指している。
待ち合わせは16時半。
明彦が時間に遅れる事は珍しい。
むしろ、こういう時は彼の方が、いつも先に来ているのだ。
「……‥」
待ちくたびれて、美鶴は明彦の様子を見に行こうと、彼の教室へ向かった。