・Main・

□デスクワークなんて大っきらい
1ページ/1ページ

デスクワークは苦手だ。
それは昔からである。
俺事山本も笹川先輩も、ましてやボスであるツナもだ。
獄寺は頭がいいし苦ではないらしい。
雲雀も昔から書類処理の仕事は大量にしていたから平気。
ランボは早く大人に見られたいらしく書類処理は完璧にこなす。
小僧もそれには少し感心しているようだった。
クロームも書類処理は苦ではないし、骸もそうらしい。
そんなわけで今日。
デスクワークなんてクソ食らえ。体を動かしてる方がどれほどいいかっ。同盟はサボっていた。






「机にねー、このくらい処理待ちの書類があったんだよ」
「はは、大変だなーツナは」
「昨日終わったと言っていなかったか?」
「そうなんですよー、終わったんです!綺麗になったんです!朝来たら積まれてたんです…」

俺達は木の上にいた。
ほら、屋敷の中だと直ぐ見つかるからな。
俺と先輩はまだしもツナは見つかったら直ぐに連れ戻される。
いや、実際は俺達も見つかったら連れ戻されるけど。
だから見つからない場所を俺達は探しまくってからサボる。
できるだけ長く苦手なものから逃げたいって言うのはしょうがない事だと思う。
んで、見つけたのがここ。
先輩が運んで、俺が切って、ツナがくっつけて、三人で上に運んだ椅子とテーブル(ついでに言えば床もある)。
木の上とは思えない快適な空間だったりする。
ついでにお茶とお菓子まで持参している。

「…獄寺君の声がする」
「ははっ、探してんだろー、ツナがあんな書置きするから」

ツナが机に残してきたのは、『自由にしてください。探さないでください。綱吉』だった。
はっはっ、と先輩が笑う。

「そんな二人だって、雨と晴の皆が探してますよ?」

微かにたいちょー!という声がする。
ぶちょー!というのも聞こえる。
雨部隊は俺の部隊で部下達は俺を隊長と呼ぶ。
晴部隊の先輩の部下達は部長と呼んでいる。
いや、俺も最初は部長って…って思ったけど、部隊なのだから部長だろう。と自信満々に言い切られた。

「うむ、置手紙をしてきたのだがな」
「ちなみに何て?」
「出る!と一言」
「うわー…山本は?」
「剣帝の修行に行ってくる…かもしれねぇ(笑)って書いてきた」
「山本が一番おちょくってるよね」
「うむ。特に(笑)がな」

あははと和やかにお茶を飲んでいる俺達に向けられた殺気に反応する。
その方へ刀を向ける俺と拳を構える先輩。
ツナはグローブをはめた。

「…お前等」
「小僧っ」

明らかに怒っている小僧が俺達が居るほうを窓から睨みつけている。
カチャリと向けられた銃からすさまじい乱射。
慌てて弾をきる俺。
拳で流れを変える先輩。
悲鳴を上げながら炎でなぎ払うツナ。

「テメェらそこで何してやがる!あれか!馬鹿となんとかは高いところが好きってか!?」
「リボーン!普通馬鹿を濁すんだぞ!」
「うるせぇダメツナがぁ!!」

小僧のブチギレっぷりにみんな集まってきた。
あーあ、ばれちゃったよ。

「先輩、もう無理っぽいっすね」
「そうだな。沢田、下に降りるぞ」

優雅にお茶できるスペースをそのまま下に降ろす。
小僧が青筋を立てている。

「お前等…」
「むっ」
「さぼんならもっとコソコソびくびくさぼれやー!!」

小僧の怒声が響き渡った。



ちなみにその後、俺と先輩は部隊の奴等に引きずられるようにして戻った。
ツナは小僧に散々怒られ、獄寺に泣きつかれながら執務室に戻った。
俺達は苦手なデスクワークは増えていて、いつ逃げ出そうか必死に考えていたのだった。


END


山ツナ了が好きです。
っていうかツナ受けと山ツナと了ツナが大好きです。

11.3/27

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ