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□一人一本
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パチンコで珍しく勝利して、いい気分でるんるん歩いていると、後ろから行き成り突撃された。
バンと顔を思いっきり地面にめり込ませた。
頭上ではハッハッという息遣いがする。
背骨がおれるぅー!!


「銀ちゃんやっと見つけたヨ!どこほっつき歩いてたアル!この不良息子!!」

背中にいるのは定春だ。
神楽は恐らく目の前に立っている。
見えないけどな。
なんだこれ、どういう仕打ちだ。
マジで。

「いつまで寝てるネ!早く起きてヨ!」
「じゃあ定春どけろやぁ!!」
「オォ!定春、銀ちゃんの上からどくアル」
「わんっ」

やっと背中から重圧がなくなった。
ほっとして体を起こす。
やっぱり神楽が目の前に立っていた。
一体なんだって言うんだ。
文句を言おうと立ち上がって、とりあえず汚れを払っていたら。

「さぁいくアルよ銀ちゃん!」
「あ?どこっ、にっ!!?」

いきなり襟を定春に銜えられた。
神楽がひらりと定春に跨る。
俺が言葉を発するよりも早く、定春は走り出したのでした。















「ただいまヨー」
「はい、おかえりーって、銀さん!?大丈夫ですか!?」

玄関についた途端はなされて俺はまた床と仲良しになっていた。
っていうか俺もうやべぇ。
なんかやべぇ、いろいろやべぇ。
やべぇよもう、俺。
ぐったりしていると新八が助け起こしてくれた。

「わぁ、…戦地にでも赴いてたんですか?」
「普通にかぶき町歩いてました」
「…神楽ちゃん」
「急いでたアル!事故ネ!」

どこが事故だ!故意だろうーが!!
と喚く俺と、
恋じゃないアル!
とわけの分からん返しをしてくる神楽。
そのままぎゃいぎゃい言い合っていたら新八が手をパンと叩いた。
ぴたりと言い合いをやめる。

「神楽ちゃんは手洗って。銀さんは手と顔洗ってください」
「…俺のコノ傷ついた心と体へのケアは?」
「痛いの痛いのとんでけ〜」

まるで子供に対するみたいなリアクションされた。
ちくしょー!
それで、あ、もう痛くないや。とか思った俺のバカヤロー!!
ぶつぶつ言いながら顔と手を洗って行けば、お茶と団子が用意されていた。

「ダンゴッ!!」

寝そべっていた定春を飛び越える。
はいお団子ですよー、と笑う新八の隣に座る。
うちの財政のどこに団子を買う余裕が!?
そんな事どうでもいいけどな!!

「今日いただいたんです。オヤツにどうぞって」
「三本あるなら三人で食べなきゃ思って銀ちゃん探してたアル」
「おぉ、そう言う事か!よし、許す!!」
「皆で食べたほうがおいしいですもんね」
「ちょうどおやつに間に合ったアル」

いなかったんだから二人で山分けにすればよかったのに。
なんて可愛い奴らだ。

「じゃ、いただきまーす」

三人でニッコリ笑って団子を口に運んだ。



END


あらまた坂田さんちだわー。とか言われていればいい。

10.5/24

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