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□芸能会
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芸能界パロ

銀時(俳優)
新八(マネージャー)
神楽(子役)




『…っ』
『パパの嘘つき!!』
『話を…っ』
『大嫌い!!』

「カーット!」


監督の声がかかって先ほどまで険悪ムードだった男と子供がへなへなとソファーへ座り込む。
ソファーにぐでーっと座って二人揃って頭でも切り替えるように頭を振った。

「「しんぱちぃ〜」」

揃って同じ人物を呼び寄せようと声を発し手招く。
はいはい、と壁際に立っていたメガネの青年が近づいてきた。

「お疲れ様です」
「おーぅ」
「新八ィ、疲れたアル。おんぶしてヨ」
「コノガキ、ふざけんな何で人のマネに甘えてんだ。自分のマネに甘えろよ」
「嫌ネ、あんなハゲに甘えて私までハゲたらどうするネ」
「…神楽ちゃん、お父さん泣いてるよ」

新八は銀時のマネージャーをしている。
神楽のマネージャーは今のところ彼女の父親だ。
神楽は銀時に何度も『新八くれヨ!』と訴えているが決まって『やるかボケ!』と返されている。

「よし!今日の撮影は終わりだ!おつかれさま!!」
「あざーす」
「ありがとヨ!」
「二人ともちゃんと立ちなさい!監督、ありがとうございました」

だらけたままの二人と、しっかり頭も下げた新八。
監督は相変わらずだねぇと大笑いしている。
神楽がぴょんとソファーから立ち上がる。

「新八ィ、送ってヨ」
「いや、だから、お父さんいるでしょう?」

ほら、と指差したほうに神楽の父は立っている。
娘にあまりにも相手にされず泣きそうだ。
むしろちょっと泣いているが。

「…でも新八がいいアル」
「わがまま抜かすなアホ娘。ほれ、とっとと帰るぞ」

銀時が立ち上がって神楽の手を引いていく。
それの後ろを新八がついていく。
おつかれさーでーす、とやる気なさそうな挨拶をしながら神楽を父親に引き渡す。

「じゃあな神楽。また明日な」
「…うん、明日ナ、銀ちゃん。新八も明日ナ。明日こそ私のマネになるアル」
「ならねぇよ!!」
「銀さん!…神楽ちゃん、また明日ね」

バイバイヨ、と神楽が父親と並んでスタジオを出て行った。
俺らも帰るか、と二人もスタッフに軽く挨拶してスタジオを後にした。
あの三人本当に仲良しね。
家族みたいね。
なんてスタッフが話していることを三人は知らない。









「んーっ、はぁ…。新ちゃん、俺の今日の仕事は終わり?」
「はい。今日は終わりです。あ、銀さんにいい知らせありますよ」
「なにー?連休もらえるとか?」
「イチゴ牛乳のCM決まりましたよ」
「マジでか!?」

はい、と新八が笑って頷く。
よっしゃー!いろんな雑誌で好きな食べ物糖分とイチゴ牛乳って言い続けたかいがあった!!と大喜びしている。
思わず笑ってしまうような光景だ。

「普段はマダオなのにどうして演技中はかっこいいんですかねぇ」
「そりゃああれだろ。演技中は坂田銀時じゃねーもん」

俺オンオフ切り替えばっちりだからー、と言いながら新八の背中にくっつく。
歩く事を放棄して新八にまかせたようだ。

「ちょ、ちゃんと歩いてくださいよ!」
「疲れちゃったよー」
「ちょ、重いぃいいー!」
「銀さん甘えたい気分なの。ぐすん」
「気持ちわるっ!」

ぎゃーぎゃー言いながら廊下を歩いていく。
楽屋に入った途端ペイッと床に捨てられた。

「新ちゃん冷たい…」
「もう。帰りますよ、早く着替えてください」
「着替えさせて」
「ここに泊まりたいんですね分かりました」
「うーそー、ごめんー」

ぐだぐだしながらボタンに手をかけてだらだら着替えをはじめた。
だらだらMAXなのかボタン一個外すのも吃驚するほど遅い。
もー、とため息をつくと銀時の着ているボタンを外し始めた。

「あら、新ちゃん?」
「上だけしか手伝いませんからね」
「はーい」

でれーとした顔で新八にボタンを任せきっている。
世のファン達が泣いてしまいそうなデレ顔である。

「ぱっつぁん、今日泊まってくだろ?」
「えー?」
「泊まって?じゃなきゃ明日おきてやらないから」
「起きなくて困るのは銀さんです」
「マネージャーがスケジュール間違えてた、って言い張る」
「はぁ…仕方ない大人ですね」
「甘えん坊だからね」

しょうがないですね、と新八が笑ってくれたので、銀時も笑った。


END


なんだかなぁ…。

10.6/20

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