・Main(忍卵)・

□妖怪パロ@
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三郎→九尾の狐
雷蔵→人間
八左ヱ門→主無き狛犬

体育委員会→人間












「白き清き囲いの中よ 紛い惑い渦あらん」

闇夜に響く声。



ぴくりとその声に耳を動かした者がいた。
いつもは人と何一つ変わらぬ姿をしている妖、九本の尾をもつ狐、名を三郎という。

「雷蔵…?」

うたっているのは雷蔵という、人間。
雷蔵によく似た姿に、狐の耳と尾を生やした三郎は不思議そうに首を傾げる。
雷蔵は長屋の自室にいるはずなのだ。
三郎がいるのは学園の門。
いくら三郎が雷蔵に陶酔していても聞こえないはずなのだ。
ならば空耳だろうかと、三郎は空に浮かぶ月を仰ぎ見た。
今、学園は些か賑わっていた。
教師たちは下級生の長屋を守るように巡回を繰り返し、六年生たちも気を張っている。
この時代、人の敵は人だけではなかった。
人ならず物。
それはどこかしこに居、人と生き、殺し、存在していた。



昨日の夕方だ。
肩に金吾を、腕に三之助を担いだ体育委員長七松小平太と背に四郎兵衛を背負った滝夜叉丸が慌てて駆け込んできたのが切っ掛けだった。

『先生!裏裏裏山にて鬼を見ました!』
『お前たち怪我はなかったか?』
『見つけ次第引き返してきました。大丈夫です』

未だ両腕に後輩を担いでいる小平太は元気そのものだ。
ぜぇはぁと背に後輩を背負ったままの滝夜叉丸は苦しげな呼吸を繰り返している。
大丈夫か?と小平太が声をかけると、問題ありません。と呼吸の合間に返事をした。

『私はすぐに学園長に報告してくる。小平太、小松田さんに誰も学園の外に出さないように伝えてくれ』
『はい』
『滝夜叉丸は、…平気か?』
『問題ありません。私を誰だとお思いですか…っ』
『そうか。では後輩たちを自分たちの長屋へ送ってやってくれ。先生方にあったら鬼が出たと伝えてほしい』
『わかりました』



それが昨日の事。
後輩たちはまだきちんとしたことが把握できず不安げな顔をしていた。
上級生になるにつれ、その顔は決意を秘めた顔になる。
後輩を、友達を、学園を守る者の顔になっていく。
そして学園には、三郎のように人ではないものもいた。
昨晩は神社が廃れ捨てられた狛犬である、八左ヱ門が三郎のように門にいた。





まで書いて力尽きた。←
気が向けば続き書きます。

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