Back Wind

□I LOVE ×××
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慶太はフラフラと家へ
戻った、そして涼平のいる
寝室へ―――



ガチャ




「…慶太!どうしたんだよ!?
ずぶ濡れじゃん!」


「……。」




もっと、愛してあげれば
よかった


「…慶太…?」

慶太が涙を流す



もっと、愛してあげれば…



「…慶太?大丈夫?」







愛してあげれば――――
















ガバッ

















「…慶太っ…やめっ…」
































思い出した

慶太の涙の理由

なぜ、あんな事したのか

慶太の言葉
















「俺のせいで、死んだ」
















その日から慶太も死んでいた

彼の中から何かが消えた


たまたま近くにいたのが俺で

悲しみを俺にぶつけてた

俺の体を欲しがったのじゃない


慶太が欲しかったのは



しずかとの愛


永遠の愛

















――――――






「…慶太…」

涼平が静かに話しかける


「…慶太が求めたのは
俺じゃなくて、愛…
しずかちゃんとのね…」

「……」

「…しずかちゃんも
辛かったな…慶太も

命を奪ったのは慶太じゃない
お前は誰より
しずかちゃんを愛してただろ?」

涼平は慶太の前にしゃがんだ


「…何かをなくした
でもファンでも無くせなかった ものがある…




















“愛”だよ
お前らの愛

それだけは誰にも
壊せない。」





「…涼平…っ」

慶太がまた涙を流す

先程の哀しい涙ではなかった



「…俺、本当はちゃんと
分かってたのに…
しずかはもう居ないって
涼平に何でこんなこと
してるんだろう?って…

ごめん涼平、しずか…今まで…っいっぱい傷つけた…おっ俺…」
涼平が慶太を抱きしめる

「もう、いんだって!
俺よりお前の傷の方が重い

もう、自分責めんな!!」


「…!!…涼平…っ」

慶太の顔が涙で見えない

「…俺たちついてるからな!」

龍一もしゃがみこみ
二人の肩を抱く


「…二人ともありがとう…
本当にごめんなさ…」

「だからもう謝んない(笑)」

涼平がニヒッと笑う

「…あ、ごめん…あ(笑)」

「何回言ってんだよ!(笑)」























慶太にあの笑顔が戻った


















三人に笑顔が戻った



















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