Back Wind

□I LOVE ×××
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しずかが死んだ?


その知らせを聞いた慶太は
土砂降りの雨の中
傘も差さずに家を飛び出した


涼平は風呂に入っており
玄関から物音が微かに聞こえた











しずかは慶太にメッセージを
残していた






私はずっと慶太の
ファンだから
これからもずっと
歌い続けて


もっと、いい人を見つけて


愛してる、さよなら

















なんで?

しずかよりいい人なんて
いないよ…

どうして?

さよならなんて嫌だよ

歌えないよ


君が居たから歌えたのに――










「しずか…何で自殺なんて」


「…慶太くん…」

しずかの母がそっと近づいてきた

「…お母さん…しずかは…」

「…ファンの子に
お友達に…」




慶太は全てを聞いた

ファンの監視
罵倒、親友の拒絶

しずかが毎日
泣いていたこと






「うわあああああ――――!!」


慶太は雨の中泣き崩れた



何で気づかなかったんだ
何で守れなかったんだ


何で、何で、何で――――



ずっと我慢してたんだ

なのに僕はずっと甘えてた

僕が有名になったから

そのせいで

















俺のせいで――――――







そうなんだ―――


俺のせいなんだ


俺の、俺の―――――













自分を責めた
自分を責めることしか
出来なかった










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