短編小説
□少年マリヤ
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※女体化ではありませんが、十代がヨハンを孕ませてます。グロ、微ですが性描写があります。18歳未満の方、苦手な方はご遠慮下さい。大丈夫な方のみどうぞ!
ありえない。
こんなことは絶対にありえない。
ヨハンは何度も自分の目を疑った。
かぶりを振り何度も否定するが、己の身に起こった変化は、そこに残っていた。
ぽっこりと細い体に不釣り合いなほど、異様に大きく膨らんだそこ。
時折中で何かが蠢く感覚。その度にそこの肉が歪な形になる。
自分の中に「何か」がいる。
それはアークティックに戻ってきて数日後の夜のこと。
部屋で寝ていると、何者かの視線を感じた。
それは背筋が凍るほどに冷たく。
溶けてしまいそうなほどに熱く。
驚いて飛び起きれば、目の前には十代がいた。
異世界で彼がユベルと共に何処かに去ってから、ヨハンはずっと安否を案じていた。
本当ならばアカデミアで待ちたかったが、一連の事件を重く見た姉妹校達は留学生の速やかな帰還を求めた。
そうしてヨハンは不本意ながらも本国に帰国することになったのである。
その親友が何故ここに現れたのか疑問が浮かんだが、それよりも無事に再会できたことへの喜びがヨハンを包んだ。
十代、と呼ぼうとした時。
ヨハンはその異変に気付いた。
暗がりで笑う十代の目はヨハンのよく知る穏やかな鳶色ではなく、橙と碧のオッドアイ。
あの狂った精霊、ユベルと同じもの。
本能的にベッドから飛び出そうとすると、十代が馬乗りにのし掛かってきた。
凄まじい力で服を引き裂かれ、ヨハンは悲鳴を上げた。
助けを求めようとデッキに伸ばした手は頭上で拘束され、拒絶を発しようとした口には布が押し込められる。
なんで逃げるんだ?俺達は友達だろう。
低い声と荒い息が耳元にかかる。
恐怖と混乱で揺れる瞳で十代を見ると、彼は笑みを浮かべたまま唇をゆっくりと――まるで子供に言い聞かせるかのように、動かした。
「おれの、おかあさんに、なって。」
繰り返し突き上げられる痛み。
大量に体内に注ぎ込まれる子種。
呪うように愛を謳う声。
ヨハンは途中で意識を手放した。