企画小説
□本能的恋愛感
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※性描写がありますので、18歳未満の方、苦手な方はご遠慮下さい。
十代とヨハンが関係を持ったのは、まだ彼らがアカデミアという揺り籠に守られていた頃だった。
その頃二人はまだ子供で。
大人から守られるべき存在だった。
時折背伸びしたくもなったが、全て限られた範囲内で。
大人になるというよりも、大人ごっこをしているに近かった。
本当に大人になる気なんて、さらさらなかったのだ。
そしてある時突然、十代がヨハンを抱きたいと言って来た。
勿論、ヨハンは断った。
それは未知の領域に足を踏み入れることへの恐怖と抵抗から来るものだった。
けれどその反面、興味があったのも確かだった。
大人への第一歩のような気がしたし、十代と愛し合えることは嬉しかった。
それから三日後。
月灯りに照らされながら、レッド寮の十代の部屋で二人は一夜を過ごした。
口付けを交わし、指と指を絡め。
互いの肌のむせかえるような熱と、十代の愛撫に身を任せながら、ヨハンはかつて感じたことのない幸せを感じていた。
知識なんてほとんどなくて、彼にされるがままになっていたけれど。
己を抱きしめる十代の微笑みはかつてないほど優しく、思わず涙が零れた。
彼に出会えて、愛されて、本当によかったと、そう思ったのだ。
その時は。
たっぷりと甘い一時を過ごし、いざ本番に及ぼうとした時、突如十代は嬉々として男性器を模した玩具を取り出すと、
「まずはこれからな。」
……と言うや否や、ヨハンの蕾へと容赦なく突き刺したのである。
そんなわけで、ヨハンの初めてを奪ったのは愛する十代ではなく、武骨な玩具という、実に悲惨な初体験になってしまった。
(ちなみにその後、しっかりと十代の相手もさせられた。)
事後に怒りが爆発したヨハンは、泣き喚き、十代を殴り、張り倒し、もともと十代の部屋であるにも関わらず、彼を叩き出した。
流石にまずいと思ったのだろう。
翌日十代は土下座して謝り、必死に許しを乞うて来た。
あまりにも悲しそうな瞳でこちらを見上げてくる彼がとても可愛く、結局二つ返事でヨハンは許してやった。
その代わりたった一つ、
「もう二度と、『物』は使わない」
という条件をつけて。