『果たしたい想い』






「さよなら。」
ただ黒い空間にある徐々にしまっていく扉の向こうには、見慣れた水色の髪の少女。
「………ッ!」
名前を叫ぼうしても、声が出ない。
もとがしくて、手を伸ばして……だけど、届かなくて。

そんな俺を嘲笑うかのように、扉は音をたて閉まった。

「……ッ!」
叫びたいのに喉につっかえができて声にならない、その苛立ちを扉にぶつける。

「覇……王……。」
扉の向こうから、微かに聞こえた俺を呼ぶ声。
俺は叫んだ、不思議と喉のつっかえはなかった。
「ジョアン!そこにいるのか!!今、扉を開けるから……「開けちゃ駄目だ!!」
「何故だ!俺は……」
おもいっきり扉を叩く。

「人間と精霊は一緒に暮らせない、私が覇王の側にいたら覇王や周りが傷つく、私は……私はそんなの見てられない、耐えられない!!」
ドンと扉を叩く音が聞こえた。

「俺は言ったはずだ、守ってやると……全てものから守ってやると。だから、開けてくれジョアン。」
「駄目だ……!」

「波打っている鼓動に誓おう、俺は燃え尽きるまでお前を守る、この想いを貫かせてくれ。」

そう言うと、扉はゆっくりと開いた。
「覇王、いいのか?」
開いた扉から、泣きながらジョアンは尋ねた。
「あぁ、それに……また、エビフライとやらを作ってくれるのだろう?」
そう言うとジョアンは泣きながら頷く。
ジョアンの手を強く強く握って俺は歩き出した。








さと子様が相互記念に書いて下さった長編覇ジョアです!
さと子様の覇王、とてもかっこいいです・・・!
この度は相互、ありがとうございました!^^

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