『はよ、気づけ。』




自分の心に芽生え、日に日に大きくなるこの気持ちに名前をつけるには、まだ何かが足りなくて………この気持ちが何なのか、わからなくて怖くて一晩中泣いていた。泣いて、泣いて、涙が枯れても、朝日がのぼるまでずっと泣いてた。
最近はずっとそう。部屋の中で枕を抱きしめ、泣く毎日。

いつも赤く腫れた目を隠しつつ、学校へ向かう。
優しい十代はいつも心配する、どうしたんだって。
何でもないって俺は笑って言う。本当は大丈夫ではない、だけど十代の側にいるためには嘘をつかなきゃ。

何でこうなったか、それはいつのまにか、十代の側にいるためには嘘をつかなきゃ。

何でこうなったか、それはいつのまにか、十代の笑顔が眩しくみえたり、かっこよくみえたり……ドキドキしはじめたことから始まる。その症状は厄介で、その表情を他の誰かに……特に女の子に見せているのかと考えると泣けてくる……俺はどうなっちまったんだよ。
わからないよ、怖いよ………涙が止まらない。

また、涙が溢れてきた。

──────────……

最近、ヨハンは部屋でずっと泣いている。
原因はわかってる。

ヨハンの部屋の前の扉に立ち、僕は呟いた。
「早く気づきなよ。」
じゃなければ、十代は僕が貰うよ。





さと子様からの頂き物です!
ヨハンの苦悩がとても辛く、また甘ずっぱくて可愛いいです><
素敵なお話をありがとうございました!^^

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