『親友以上恋人未満』




「なぁ、ヨハン。」
「なんだ、十代。」

「社会学のレポート、手伝ってくれぇええ!」
「嫌だ!ギリギリまで溜めてた十代が悪い。」
そこをなんとかー!と泣きついてくる十代を俺は無理やり引き剥がすのが、俺の日課。いつまでたっても、何故俺は十代の世話を焼いているんだ、といつも思うが……何だかんだで十代を助けてしまう俺は十代に甘いのだろうと思う。







十代とは中学の時に知り合った、その頃は俺はヨーロッパから日本に来日したばかりで、日本語があまり喋れなかった。そのせいか、あまり友達も出来ず、いつも1人だった。


「お前、1人か?だったら一緒に昼飯食べようぜ!」
いつものように、1人で屋上でお弁当を食べようとしていたら、何人かの学生が屋上に入ってきた。その中に十代がいた。

「お前、名前は?俺は遊城十代、よろしくな!」
「俺、ヨハン。ヨハン・アンデルセン。」
「ヨハンか、あれどこかで聞いた気が……」
「アニキ!ヨハン君は隣のクラスに転入したヨーロッパからの留学生っすよ!あ、僕、丸藤翔。でこっちが……」

あの時に十代が声をかけてくれなければ、俺は多分1人きりだったと思う。十代のおかげで様々な友人が出来た。中学の時は十代に様々な事を教えてもらっていたが、高校になると立場が逆転した。英語の追試の面倒を見たり、授業中居眠りしてる十代を起こしたり、遅刻ばかりするからわざわざ家まで行って起こしたり、宿題手伝ったり……大学生になった今でも続いている。

何だかんだ文句は言ってるが、この関係は凄く落ち着く。いつまでも、子供を心配する母親と気持ちが似てるかもしれない。

この関係がずっと続けばいいなと俺は思う。

「十代、仕方ないから手伝ってやるよ。」
「マジ!?サンキュー、ヨハン!」







さと子様から二万打記念の小説を頂きました^^
ほのぼの仲良しな十ヨハがとても素敵です〜!
十代のお世話をするヨハンが健気で素敵です^^
素敵な小説、ありがとうございました!^^

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