御話 短創作
□飴
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あいつの口にはいつも飴が入っている。
一年前に煙草を止めたと聞いた。
噂では好きな相手が煙草が嫌いなんだと聞いた。
それも一年前だと聞いた。
好きな人がいると聞いて驚いた。
あいつはいつも一人で同じ飴ばかり食べていたから思いもしなかった。
酷く嫌な気分がした。
「…あ、」
薬局の片隅のお菓子売り場の片隅に売られていたいちごクリームの味の飴に、いつも甘ったるい香りを身に纏っている男を見い出し、
酷く、酷く、欲情した。
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