斉藤君と幸人さん
□第十二話
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大紀の指が、丁寧に優しく、そっと幸人の体を這った。
前戯に慣れていない幸人にとって、それはあまりにも刺激の強いことだった。
「幸人さん…びくびくしてる…。おっぱい好きなの…?」
大紀はどうやら言葉攻めが気に入ったようで、小さな反応を見つける度にそこばかりを攻めては言葉で攻める。
「はぅ…ん、や、ちょ、あんっ…!!」
「可愛い…あんっだって…。幸人さんほんとに童貞?敏感過ぎるよ…」
「も、言わな、で…!!あ、あ、あぁあ…!!!」
吸えば三倍声が上がる。
幸人の体は既に大紀の吸った痕がまばらに散っていた。
大紀の涎が垂れる。
体に垂れる度、幸人は体を跳ねさせた。
「はあ…はあ…幸人さん…可愛いよ…触っていい?幸人さんのちんちん…」
「触、るの…?」
「我慢できないよ、僕…。ほら、脱いで。あ、上は脱がなくていいよ、その方がクるから…」
幸人の怯えをよそに大紀は自分の服を脱ぎ幸人のズボンを脱がしにかかった。
「ひぅっ…」
「ありゃ?」
幸人の股間は全くと言っていいほど反応をしていなかった。
「なんでかなあ…幸人さん気持ちよさそうなのに…」
「んっんっんっ…」
指でいくら擦っても声とは正反対に反応なし。
腰もビクビクしているのに。
「まさか…イ●ポ…?」
「ち、がう…!!」
「だよね…最初の日勃ってるの見たから…」
「そこ、や…」
「先っぽ好き?」
「…うん」
言葉遣いも砕けてきた。
快楽に飲まれているのか、それとも慣れか…。
どちらにせよ大紀には嬉しかった。
「さ、斉藤、くん…」
「ん?」
「…触って…」
「…ん!?」
聞き間違いではなかろうか。
幸人が大紀にねだっている。
あの幸人が、ねだっている。